おならの臭いと腸内環境の関係
同じ食事をしてもおならが臭い人とそうでもない人がいます。家族で同じものを食べていると分かりますよね。
また、若い頃は自分のおならの臭いが気にならなかったのに年齢と共に嫌な臭いになってきたと感じることがあります。
これは腸内環境と関わりがあります。腸内細菌バランスによって腸管で発生する臭いが変化するためです。ここでは腸内細菌とおならの臭いの関係についてお伝えしたいと思います。
加齢変化を感じるところ、手のこう、首筋、髪の毛、体型・・・そして「おならの臭い」
医学的に見た目年齢と健康年齢は相関関係があると言われていますが、おならの臭いと腸内環境も同様です。
「おならが臭い人は早く老ける」
どのような因果関係があるのでしょうか?
少し専門的にご説明しますと・・・
悪玉菌優勢な人はおならが臭い
→悪玉菌が優勢だと善玉菌である「ビフィズス菌が定着しにくい」
→ビフィズス菌がいないと代謝産物である短鎖脂肪酸が産出されない
→短鎖脂肪酸が少ないと太りやすくなり糖尿病や高脂血症になりやすい
→体に慢性炎症が起きて老ける
「何言ってるのかよう分からん」という方は「腸が劣化するとおならが臭くなって老けやすくなる」ということだけ覚えておいて下さい。
日本人の食生活が手軽な加工食品に変化したと同時に「大腸劣化」が問題になっています。がんに罹患する年齢も低下しています。
がんによる女性の死因1位は「大腸がん」。早く老け込んで大腸がんになって手術するなんてイヤですよね。大腸がんを防ぐために大腸劣化問題について考えてみましょう。
大腸が全身の健康の鍵をにぎる
腸には小腸と大腸がありますが、一般的にイメージするのは小腸かもしれません。しかし、小腸は病気になりにくく劣化しにくい臓器。
全身の健康や病気に関係しているのは、じつは大腸の方なのです。
腸内細菌が生着しているのは主に大腸で、便秘や下痢に影響するのは大腸の腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)。
大腸にどんな菌が住み着いているかで「体質」と呼ばれているものが決まります。
近年、食生活の変化や欧米化で私達日本人の腸内細菌叢は悪化傾向にあります。腸内フローラ検査の株式会社サイキンソーの統計によると、腸内環境が悪いD判定以降の割合が4人に1人だということが分かりました。
おならが臭くなってきた!私の腸内年齢は?
大腸が劣化するということは、大腸が老けるということ。はたしてどんな腸が「劣化腸」なのでしょうか?
大腸の健康を左右するのは、腸内に生息する無数の腸内細菌です。腸内細菌は良い働きをする善玉菌と悪い働きをする悪玉菌が、お互いに作用し合って腸内環境を作り上げています。大腸は消化管の最終地点であるため老廃物が長時間溜まりやすくなっています。
便が大腸に長時間溜まるとウェルシュ菌のような悪玉菌が増え、ビフィズス菌が減少します。母乳しか飲んでいない赤ちゃんの便が酸っぱい臭いで臭くないのは、ビフィズス菌が占めるからです。下痢を起こし常に水様便を排出しているとビフィズス菌が定着することができず流れ出てしまいます。
⇩IBS下痢型の腸内フローラ
過敏性腸症候群の腸にはビフィズス菌がいない!?下痢を止める腸内細菌サプリメントとは?
赤ちゃんの腸内には90%以上ビフィズス菌が占めています。これが加齢と共に減少し高齢になるとゼロに近づいていきます。腸内年齢はビフィズス菌の定着率に比例するといっても大袈裟ではありません。それは、ビフィズス菌が生み出す「短鎖脂肪酸の働き」にあります。
大腸劣化を止めるために必要なものはビフィズス菌
腸内に悪玉菌が増えると大腸がんなどの病気になりやすくなりますが、病気を防ぐ腸内環境に必要なものが「ビフィズス菌」と「短鎖脂肪酸」です。
ビフィズス菌は乳酸菌の一種だと思っている人も多いかもしれませんが、じつは性質も機能も形態も大きく異なります。酸素に強く小腸に多く生息する乳酸菌に対し、酸素を好まないビフィズス菌は嫌気的な環境の大腸に生息します。生きたビフィズス菌が大腸で作り出す物質が「短鎖脂肪酸」で、この短鎖脂肪酸に整腸作用があり、腸内フローラを整え、悪玉菌の繁殖をおさえ、血中のコレステロールを下げて、脂肪を燃焼させ、血糖の上昇を抑えてくれるという腸内の万能薬なのです。
ここで実際にビフィズス菌とビフィズス菌の餌であるオリゴ糖を摂り続けた人の腸内環境を見てみましょう。老化の指標である「長寿菌」の増え方を調べています。
判定BからAに改善したS様、ビフィズス菌比率は2.35%⇒3.7%
花粉症がかなり改善したということです(1年間内服)
判定CからAに改善したH様、ビフィズス菌比率は0.79%⇒3.02%
太りにくくなったと喜んで下さいました(1年間内服)。
これらの結果は単に1例ですが、ビフィズス菌を摂り続けることによって腸内環境は改善され、「大腸劣化」を食い止めることが出来ます。
赤ちゃんのおならは全く臭くない、でもおばちゃんのおならは強烈。これは腸内のビフィズス菌量の違い。大腸劣化を食い止めたければなければ「臭いおなら対策」を!腸内環境を整えて健康と若さを手に入れましょう。
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