過敏性腸症候群(IBS)は遺伝する?下痢、便秘の原因はメンタルじゃない?妊娠中には菌活を!

過敏性腸症候群(IBS)は遺伝する?

 

「私、子どもが凄く欲しいんです。でも主人がIBS(過敏性腸症候群)なので子どもを作るのが心配で・・・
IBSって遺伝するのでしょうか?子どもがそうなったらどうしようかと不安で」

 

その女性のご主人は若い頃からIBSの下痢タイプで、毎日の生活にも支障がでてしまうほどの症状を抱えていました。
会社勤めはストレスがかかるため、在宅勤務で「ノマドワーカー」という働き方をしてきました。

 

過敏性腸症候群、この病名を耳にしたことはありますか?
「お腹が弱くて、ちょっとストレスがかかると下痢や便秘になってしまって・・・、そんな症状を抱える方の症状を分析し過敏性腸症候群という病名が名付けられたのは約30年前。私が看護師になったすぐの頃です。

 

過敏性腸症候群と遺伝、これはまだハッキリと明らかになった訳ではありませんが、大まかな見解は出されています。
過敏性腸症候群は腸内細菌と深い関わりがあり、腸活によって症状が改善することが分かっていることも。

 

本日は、IBSの遺伝的要素、いまの治療内容などについて深掘りしてみたいと思います。

 

過敏性腸症候群(IBS)とは?

 

過敏性腸症候群(IBS)とは、器質的や代謝的に異常がないけれど機能的に異常が生じる腸の疾患です。
つまり、腸内の見た目には問題はないけれど、腸の動きに異常があり、腹痛や便秘、下痢、膨満感などの症状が持続的に繰り返す腸の病気です。
日本の有病率は人口の約13〜14%と言われており、中高年から若年層に多いのが特徴です。

 

こんな症状に思い当たる場合はIBSかもしれません。

・便の性状が変化してきた

・便の回数が極端に減った、増えた

・排便によって腹痛などの症状が改善する

排便のタイプによって、下痢型、便秘型、混合型、分類不能型などに分けられ治療方法にも繋がります。

 

いずれにせよ「腸の不調」というのは、生活の質を低下させ更なるストレスを抱えることになってしまいます。

 

 

過敏性腸症候群(IBS)という病気の歴史

 

過去にも緊張やストレスで腸の不調を訴える人は多くいましたが、この症状をひとつの病気としてとらえられるようになったのは1990年ころからです。

 

2000年カナダで大きな水道事故がありました。
約5000人もの人がO-157(病原性大腸菌)による中毒を起こし、これが治ったあとに約半数の人がIBSが発症、更にこの中の半数の人が8年後もIBSは完治しませんでした。こうした経過からIBSは感染性腸炎のあと腸内細菌叢の乱れから発症するのではと考えられていました。

 

それからIBSは腸内細菌バランスの乱れからおこる可能性が高く、いままでストレスやメンタルの影響で発生するという考え方は訂正されました。
IBSはストレスがかかると症状は悪化しますが、ストレスが原因で発症しているわけではないということです。

 

 

過敏性腸症候群(IBS)と腸内細菌

 

過敏性腸症候群(IBS)の大腸粘膜には、健康な人よりリンパ球が多いことが分かっています。
健康時にはない炎症が腸の別の場所に生じており、体は腸と細胞の間に隙間を作ってそこから水分をだして炎症の原因となっている物質を外に流そうとしているようです。

 

腸内細菌バランスは健康な人に比べて非常に不安定です。
細菌の存在量比率が高くなったり低くなったりと移り変わりが激しいことが分かっています。
現在分かっていることは、IBSで腹部膨満感が強い人は健常な人と比べて「シアノバクテリア」が多く、腹痛で苦しんでいる人は「プロバクテリア」が多いということです。

 

腸内細菌叢の中のどんな菌がIBSのリスク細菌叢なのか?世界中の研究者が解析を進めているところですが、まだ種のレベルまでは同定されていません。

 

 

過敏性腸症候群は遺伝するのか?

 

いままではIBSは遺伝性があるものと考えられていました。

 

IBSの遺伝要因と環境要因を探る双子児研究が行われましたが、IBS親子間の一致率は二卵性双生児8.4%に対して一卵性双生児17.2%と高いため、同じ遺伝子を持つ個体同士の方が一致率が高いということになります。
日本消化器病学会IBSガイドラインより

 

これは、母親のIBSの疾病行動を子どもが学習しIBSになっていくという学習効果、または母親の腸内フローラを受け継ぎIBSになっていくという遺伝的効果のどちらかを表すものになります。

 

子どもは母親の腸内細菌を引き継ぎますが、これは遺伝というより産まれてくる時の環境的なものです。
自然分娩で産まれてくる赤ちゃんは産道を通ります。このとき産道に生息する細菌に感染し、さらに産まれる瞬間は母親が脱糞することもありますのでここからも腸内細菌を引き継ぎます。
また母乳にはビフィズス菌が豊富に含まれますので、子どもは「母親のビフィズス菌」を取り込み成長することになります。

 

母から子供へ免疫力を受け渡す「腸内細菌が子供をポジティブに育てる理由」細菌から学ぶ子育て

 

つまりIBSと遺伝の関係というのは、いわゆる「遺伝子を受け継ぐ遺伝」という意味ではなく、「環境によって体質を作る」という意味になります。
お母さんが妊娠中に腸内フローラを整えていけば、出産時に沢山のビフィズス菌を子どもに引き渡せることになるのです。

 

あと残念ながらお父さんの腸内環境はここではあまり登場しません。
スキンシップやキスなどである程度の菌の受け渡しは行われますが、母親からの影響と比べると小さなもの。
お父さんのIBSは子どもに遺伝する可能性は低いと考えて良いでしょう。

 

子どもの腸内フローラは1歳ころにできあがり、3歳までに組成が決まると言われています。
「子どもの腸育」スタートは妊娠中から。
これからのお母さん達は積極的に菌活を摂り入れるようにして下さい(*^O^*)

 

 

 

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