下痢、下血から始まる難病「増え続ける炎症性腸疾患」腸内細菌叢と潰瘍性大腸炎、クローン病への関与

増え続ける炎症性腸疾患

 

毎日快便な私たちにはわからないことですが、排便に悩みを抱えるということは日常生活にとても大きな負担がかかります。

トイレをいつも気にして、慢性的な痛みをごまかしながら、食事も思うように食べられない。
私のまわりには腸になにかしらの悩みを持った人が多くいますが、その中でも深刻な病気は「炎症性腸疾患」です。

 

難病疾患に指定されている潰瘍性大腸炎やクローン病は下痢、下血を主な症状とする腸に炎症を起こす病気です。
以前は珍しい病気でしたが、現在では10万人を越え毎年5000人程度の割合で増加していると言われています。今では「炎症性腸疾患外来」という専門外来があるくらいです。

 

 

成人ばかりでなく子供にも多く発症している「腸の慢性的な炎症」。
これは何を示しているのでしょうか?
食生活、生活環境などの急速な変化による腸内細菌叢が発症に関わっていると、世界的に研究が進められています。

 

まだまだ解らないことばかりの「炎症性腸疾患と腸内細菌叢」ですが、メタゲノム解析が可能になってから腸内細菌との関係性がわかり始めてきました。
私も勉強途中ですが、現時点でわかっていることをお伝えしたと思います。

 

 

炎症性腸疾患とは?

 

”炎症性腸疾患”てなに?
という方の為にどんな病気なのかご説明したいと思います。

 

大腸や小腸などの消化管の粘膜に原因不明の慢性的な炎症を引き起こす疾患です。原因は不明で根本治療法はまだありません。

 

指定難病とされており長期の療養が必要なため医療費の支援が受けられます。

主な疾患は、「潰瘍性大腸炎」「クローン病」があります。
下痢、腹痛、貧血、体重減少、口内炎などから発症することが多いです。

 

 

腸のバリア機能が低下するということ

 

腸の炎症性疾患は自己免疫性疾患です。
なぜここまで自分の体を自らが攻撃する自己免疫免疫疾患が増えているのかというと、腸のバリア機能が低下していることが大きな原因です。

 

わかりやすい図があったので引用させていただきますね。

 

 

内容は難しいのでイメージだけしてください。食事や清潔な環境、抗生物質、ホルモン剤などが腸内細菌のバランスを変え腸の機能を低下させています。
腸が繰り返し炎症を起こすことで、いわゆる「腸漏れ」という現象を引き起こしてしまいます。

 

 

 

腸内細菌との関係性でわかったこと

 

この20年で私達の食生活は大きく変わりました。
手軽な加工食品、化学調味料、保存料、消毒された野菜など、自然な土壌から取り入れられる細菌はへり、現代人の腸内環境は多様性が失われました。

 

その中でも炎症性腸疾患を抱える人は、酪酸を作る割合が著明に低下ししているそうです。

 

難治性疾患である炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)は消化管の慢性炎症であり、その完全な発症メカニズムや発症原因は不明です。近年の食生活の欧米化に伴って日本人の患者数は毎年増加しており、根本的な治療方法が望まれています。炎症性腸疾患の患者の腸内フローラには異常が認められますが、特に酪酸を作る細菌の割合の低下が顕著です。また、酪酸の生体内への取り込みが障害されることも報告されています。炎症性腸疾患における酪酸生産や取り込み低下の意義はよく分かっていませんでしたが、今回の研究により、酪酸が制御性T細胞への分化を誘導し、腸管の炎症を防ぐ重要な因子であることが分かりました。この成果は、炎症性腸疾患の発症メカニズムの解明に寄与するとともに、その治療法の開発にも役立つと期待できます。
引用:理化学研究所より

 

酪酸産生菌についてはまた詳しく特集していきます。

 

ほんの数十年前まではとても珍しかった腸の炎症疾患ですが、いまでは子供から高齢者までこの病気を抱える人は増え続けています。

 

スーパーではどんどん加工食品が増え、肉や魚も保存が効くようなパックものばかりです。私の近所のスーパーでは生のアサリやシジミが姿を消しました。生鮮食品コーナーは狭くなり、お総菜コーナーやイートインが食品売り場の中心です。

 

大型スーパーのオリジナル商品しか流通しない世の中になったら・・・
人間はまるで囲いに飼われた家畜のようです。
ホルモン剤と抗生剤で成長を早められた食用肉とそこに差異はあるのでしょうか?

 

 

安全な食品を手に入れるのは難しい未来が近づいているようで、とても不安になる今日この頃です。

 

 

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