口腔カンジダ、腸管カンジダの治療に乳酸菌フェカリスが注目される理由「カビが体に住み着いたとき」

カビが体に住み着いたとき

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病院に長く入院をしている患者さんの口の中は不潔になりがちです。
ちゃんと口腔ケアをしていてもすぐに真っ白な真菌が繁殖してしまいます。
重症患者さんの部屋が独特な臭いがするのはこのためです。

女性なら「カンジダ菌」という言葉を聞いたことがあると思います。
膣炎の原因になるものです。
このカンジダというカビ（真菌）は本当に厄介なもので、一度私達の体に繁殖するとなかなか減少してくれないのです。
抗生物質やステロイド治療が広まった結果、カンジダが腸管内で増殖しリーキーガット症候群を引き起こす原因となっています。

私もピロリ菌を除菌していますので食道にカンジダがいました。
このカンジダをなんとか治療しようと多くの論文を読み、分子整合栄養医学の医師の講義を受け、治療に有効な乳酸菌をナースキュアビフィズス菌BB＋オリゴ糖に配合したのです。

最近ではカンジダ治療に乳酸菌が有効だと、エンテロコッカスフェカリス菌が注目されています。
本日は、リーキーガット症候群の原因となるカンジダについて調べてみましょう。

上符医師もカンジダ治療にはフェカリス菌を使用しているそうです。

カンジダ菌とリーキーガット症候群

口の中にカンジダ菌が繁殖すると、舌の痛みや味覚異常、歯周病の原因となり、全身に影響が及びます。
カンジダが消化管粘膜に入りこみ、食道炎や胃炎、潰瘍性大腸炎、膣カンジダなどを引き起こすのです。

特に腸管粘膜で繁殖すると腸の粘膜に穴が開き、タンパク質や細菌やウイルスなどが血液中に漏れ出てしまうリーキーガット症候群の原因となります。

カンジダは病院ではあまり問題視されないのですが、じつは腸内環境の悪化と免疫力低下を招く困ったカビなのです。

カンジダ菌を減らすプロバイオティクス

カンジダを治療する薬は「抗真菌薬」、クロトリマゾｰルやナイスタチンのような塗布薬や飲み薬のフルコナゾールが処方されています。
しかし、症状が一時的に良くなってもまた再燃することが多いため根治治療は難しいと考えられていました。

最近では腸内環境を改善するプロバイティクス（人の体に良い影響を与える微生物・ビフィズス菌生菌など）のカンジダ菌への治療効果が注目されています。

　腸炎や敗血症を繰り返していた短腸症の女の子の腸内フローラバランスは、度重なる手術のストレスや感染症の治療で繰り返し投与されていた抗菌薬の影響で、有用菌のビフィズス菌が激減した、有害菌優勢の乱れた状態であることが分かりました。そこで担当医は、感染症の悪循環を断ち切るために、プロバイオティクスを有用菌のエサとなるオリゴ糖と一緒に投与する試みを開始しました。

プロバイオティクスを投与し始めると、効果はすぐに表れました。投与前には２年間で10回以上も発症していた高熱というつらい症状が見られなくなりました。そして女の子の便を調べると、プロパイオティクス投与前にはほとんど見られなかった乳酸桿菌やビフィズス菌が、投与を始めて半年後には最優勢になっていました。一方、健康な子供では考えられないほど多かった有害菌のカンジタは1000分の1以下になっていたのです。

プロバイオティクス投与を開始してから半年たった頃から、なかなか増えなかった体重がぐんぐん増加し、1年後には同年代の小児の標準体重に達しました。やがて普通の食事が摂れるようになり、栄養点滴のカテーテルも外されました。女の子は家族と一緒の食卓を囲み、普通の生活を送れるまで回復し、このような激的な変化に担当医も驚くほどでした。

ヤクルト健康長寿より

エンテロコッカス・フェカリス菌がカンジダ菌治療に使用

口腔内のカンジダにエンテロコッカスフェカリス菌が有効だという研究結果が発表されています。
鶴見大学大学歯学部病理学講座の研究チームがカンジダ菌を保有する男女12名を被験者として調査を行ったところ、92％の患者においてエンテロコッカス・フェカリス菌の内服によってカンジダ菌の増殖が有意に抑制され口腔内の症状が改善されたそうです。
またエンテロコッカス・フェカリス菌はカンジダ菌の菌糸系の発育を抑制し、口腔内の菌数を減少させることが分かりました。