潰瘍性大腸炎になりました。自宅での生活が不安です
先日、久しぶりにプライベートナースの仕事をしてきました。
患者さんのもとに訪れる度に「やっぱり私はナースの仕事が1番好きだ!」と思います。
人は病気になると、普段の生活から一変して入院生活を余儀なくされ、不安や苦しみで押しつぶされそうになります。そんな患者さんの苦しみを少しでも軽くしてあげたい、現状をわかるように説明してあげて不安を取り除いてあげたいと心から思います。
入院生活は嫌なものですが、病気を抱えての自宅生活もたやすいものではありません。
今の医療制度では入院しても治療が終了したら、そう長くは入院していることはできないもの。
まだ体調が本格的に回復していないのに「来週には退院して下さい」といわれていまい、どうしていいものかご本人もご家族も困惑してしまいますよね。
本日は「潰瘍性大腸炎」でご入院中のK様よりのご依頼(潰瘍性大腸炎はこちらを参考にして下さいね)。
「来週退院と言われてしまいました、自宅での生活が不安です。どのような準備をしたら良いのでしょうか?」
ご自宅の生活に戻られてから慌てないように、退院前に準備するべきこと特集です。
在宅介護に必要な準備とは?
まずは、自宅の生活動線を考える。
自分で出来ること、出来ないことの割り出しを!
ご入院中はほとんどがベット上の生活のため、移動距離もすくなく、体力の消耗はあまり感じません。
しかし、いざ自宅に帰ってみると階段があったり、トイレまでの距離があったり、健常な時には感じなかった日常生活を送る大変さを痛感するようになります。
介護される方の体力、病状にあわせて生活動線を改めて見直すことを、まず始めにやらなければいけません。
K様の場合、頻回に訪れる便意や腹痛に対応出来るようにトイレ近くのお部屋に寝室を移すことを検討する必要があります。
次に食事の支度や洗濯などの家事分担。
体力が低下してしまっているK様が家事を担うことはできません。家事は家族で分担するのか?介護保険を使ってヘルパーさんに依頼するのか?判断する必要があります。
それら日常生活のことはケアマネさんに相談することが出来ますので、まずは介護保険の認定調査の申込みをしましょう。
65歳以上の方は介護保険の認定調査の申込みを
自分1人で生活をすることが出来なくなった場合、介護保険を利用して少しでも安全に安心して日常生活を送ることが出来るよう工夫をして見て下さい。
介護保険は病院入院中は使用出来ません。しかし、まだ認定を受けていない人の場合、病院入院中に介護保険の認定調査を受けることが出来ます。
*認定調査とは?・・・介護保険を使用するには介護認定調査を受け、介護度を認定してもらう必要があります。その介護度を決める調査です。参照:豊島区
認定調査を受け介護度が決まったら、担当のケアマネさんを選びます。ケアマネさんには無料で自宅での介護生活の相談をすることが出来ます。
潰瘍性大腸炎は難病です。難病認定の手続きを
K様の「潰瘍性大腸炎」は医療費助成制度のある指定難病です。
これからの長い治療が経済的に負担にならによう助成の手続きをお勧めします。
この指定難病は難病指定医に「臨床調査個人票」を記入してもらわなければなりません。外来に通院してからだと何度も通うことになってしまうため、医師とコンタクトを取りやすい入院中に手続きをしてしまうのがお勧めです。
明るい介護生活を送るためには?
大切なのはご家族の協力。
役割分担をしてなるべくお互いの負担を軽くすることが、これから長く続く介護生活を明るく送れるカギです。
役所などで事務手続きをする人、ケアマネさんと連絡を取り合う人、家事を手伝う人、病院の通院に付きそう人等、1人に負担が集中しないように始めに家族で話し合い役割分担を決めて下さい。
特に男の人、なかなか家事や家の雑務をしてこなかったためにどうやって介護に参加していいのかわからない方やとまどう方が多いものです。
しかし、病院の付き添いや買い物などは男の人にも出来るはず!するべきです!
K様、体調が回復に向かい何よりです。
安心いたしました。しかし、ご自宅での生活はくれぐれも無理をなさらないようにして下さい。
ストレスや体力低下がまた炎症を引き起こしてしまします。
困った時にはいつでもご連絡下さいね。
腸に負担が少ないお食事を作ってお見舞いに伺います。