2020年腸の問題について考える「便秘と下痢のなれの果て」腸の病気が増えている理由

2020年腸の問題について考える

 

私のブログに始めて訪れた方は「いちょうよしこ」なんて変な名前なんだろう、と思うに違いありません。
なぜ、こんな寒いハンドルネームで毎日ブログを書いているのかご説明しましょう。

 

私は胃腸専門の看護師です。
来る日も来る日も胃と腸の中ばかり看ていた時代がありました。
2人に1人、いや3人に2人は胃腸になにかしらの問題を抱えています。

 

便秘が酷い人、下痢が止まらない人、胃が痛い人、食べ物がうまく消化できない人。
病名がつくほどではないけれど、病院に通うほどではないけれど、胃腸の調子が悪い。
症状に慣れてはいるけれど、その症状によって生活の質を落とし、ストレスを抱えている人がなんと多いことか。

 

そんな人達のお悩みをなんとかサポートしたいと思い書き始めたのがこのブログです。

 

私がブログを書き始めたのは5年前。
まだ「腸内フローラ」という言葉が世の中に知られていなかった頃です。
今のように腸内細菌がクローズアップされるようになると思いもしませんでした。

 

食習慣が劇的に変化し「腸疾患」を抱える人口は右肩あがり。
腸から始まる病気は凄い勢いで増えています。
腸内環境の悪化を食い止めなければ日本は病気大国になってしまうでしょう。
自分の健康を守るために「腸不調」を放置してはいけません。

 

本日は、いま増えている腸の2大疾患である「過敏性腸症候群」と「潰瘍性大腸炎」について考えてみましょう。

 

 

過敏性腸症候群と腸内細菌

 

過敏性腸症候群、この病名を耳にしたことはありますか?

 

過敏性腸症候群(IBS)とは、器質的や代謝的に異常がないけれど機能的に異常が生じる腸の疾患です。
つまり、腸内の見た目には問題はないけれど、腸の動きに異常があり、腹痛や便秘、下痢、膨満感などの症状が持続的に繰り返す腸の病気です。
日本の有病率は人口の約13〜14%と言われており、中高年から若年層に多いのが特徴です。

 

こんな症状に思い当たる場合はIBSかもしれません。

・便の性状が変化してきた

・便の回数が極端に減った、増えた

・排便によって腹痛などの症状が改善する

排便のタイプによって、下痢型、便秘型、混合型、分類不能型などに分けられ治療方法にも繋がります。

 

過敏性腸症候群(IBS)の方の腸内細菌叢の特徴は以下のようなことが分かっています。

 

IBS 患者では,小腸において,腸内細菌の異常増 殖をきたす症例がある(9).これは small intestinal bacterial overgrowth (SIBO) と 呼 ば れ る 現 象 で あ る.糞便中の腸内細菌 16S rRNA を分析すると,健 常者と IBS 患者間に塩基組成の差が見られる.フィ ンランドの研究(10)では,健常者は Lactobacillus と Collinsella,下痢型は Streptococcus,便秘型は Ruminococcus,混合型は Bacteroides と Allisonella により特徴づけられた.IBS 群が健常群と相違してい た も の は,Actinobacteria 門 と Firmicutes 門におけ る 配 列 で あ り,Firmicutes 門における Coprococcus eutactus,Clostridium cocleatum 関連の配列における 定量的 PCR 分析が IBS 群と健常群との違いを示した. Actinobacteria 門では,Collinsella aerofaciens におい て差が認められた(10).さらに解析個体数を増やした IBS の腸内細菌のメタゲノム解析が進んでいる(11). IBS-D 患者と IBS-M 患者において,酪酸産生菌が減少 しており,治療薬の影響を除外した IBS 患者全体にお いてメタン産生菌が減少している

過敏性腸症候群と腸内細菌叢 gut microbiotaより

 

とても難しい内容なのでまとめますと・・・

 

過敏性腸症候群の腸内細菌叢では、酪酸を作り出す腸内細菌「酪酸産生菌」が減少しています。
「酪酸」は大腸の上皮細胞のエネルギーであり、腸管粘膜の傷を修復するのにも役立ちます。「制御性T細胞」の数を増やし、免疫のバランスを調整する働きを担っています。

 

過敏性腸症候群の腸内フローラは、この菌の減少により腸管のバリア機能が低下している状態です。現在、過敏性腸症候群の治療は投薬による対象療法が中心ですが、腸内環境の改善による根治療法も研究が進められています。

 

過敏性腸症候群(IBS)の治療効果「薬で止まらない下痢と体重減少」イリボーとポリフルが効かない潰瘍性大腸炎と腸内細菌

 

 

潰瘍性大腸炎と腸内細菌

 

潰瘍性大腸炎とは、腸の粘膜部分に炎症が起こり、潰瘍やびらんが形成される病気です。
普通の病気と違い20代から40代に多く発症します。
症状は粘血便(普通の便より粘液が混じったもの)、下痢、腹痛、そして下血です。

 

もともと日本人には少ない病気とされていましたが、現在では急速に患者数が増えています。
難病指定疾患である潰瘍性大腸炎は、患者数が毎年1万増加し2017年の統計では20万人以上の患者数にのぼっています。
新しい治療薬の登場により治療効果は飛躍的に向上したものの、まだ「完治することがない腸疾患」として根治療法が望まれています。

 

根治療法のひとつとして潰瘍性大腸炎と腸内細菌の研究がさかんに行われています。

 

近年患者数が増加の一途をたどる潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患の原因の一つとして、腸管上皮によって主に形成される腸管粘膜バリア注5)の破綻が考えられています。おびただしい数の腸内細菌が存在する大腸においては粘膜バリアの一つである粘液層注6)が厚く表面を覆っており、腸内細菌が容易に大腸組織に侵入できないことがわかっていますが、どのように細菌の侵入を抑えているかはよくわかっていませんでした。

そこで、本研究では、大腸上皮細胞に特異的に高く発現しているLypd8遺伝子を欠損したマウスを作製しました。野生型マウスでは腸管の内粘液層はほぼ無菌状態に保たれていますが、Lypd8遺伝子欠損マウスでは、内粘液層に腸内細菌が多数侵入し、腸炎の実験モデルにおいては野生型マウスと比較して重篤な腸炎を発症することを見出しました。また、Lypd8 は高度に糖鎖で修飾されるGPIアンカー型蛋白質注7)で、大腸管腔に分泌され、特に鞭毛を持つ腸内細菌に結合し、運動性を抑えることで細菌の侵入を防止していることが明らかになりました。

潰瘍性大腸炎は、現在根治的治療がなく、発病原因のさらなる解明と新規治療開発が急務とされています。今後、Lypd8蛋白の補充療法などの粘膜バリア増強による潰瘍性大腸炎への新たな治療法の開発が期待されます。

日本医療健康開発機構より

 

潰瘍性大腸炎の緩解にとって大切なものは「腸のバリア機能」です。
本来腸が備え持っている「腸のバリア機能」を回復するためには腸内環境の改善。
そのために急務なことは「食品添加物の見直し」だと私は考えます。

 

下痢、下血から始まる難病「増え続ける炎症性腸疾患」腸内細菌叢と潰瘍性大腸炎、クローン病への関与

 

この2つの腸疾患を減少させることができれば、「大腸がん」による死亡はかなり減少できるのではないでしょうか?
「大腸がん」はある日突然できるのではありません。
便秘や下痢によって乱れた腸内環境がその芽を作ります。

 

健康な便通が病気予防の第一歩。
皆様の「毎日スッキリ」のために・・・これからもブログ頑張ります。

 

 

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