抗生物質飲む?飲まない?「抗生物質は腸がんの発生率を高める」抗生剤と腸内細菌と大腸がん

抗生物質と腸内フローラ

 

腸内フローラブームもすっかり定着しました。
私達の腸も「ウンチをつくるところ」から
「第2の心臓」にまで出世をし、随分と知名度も上がりました。

 

まるでヒラ社員が取締に出世するようなものです。
いままで寡黙に働いてきた甲斐があるというものですね。
しかし、腸内細菌の重要性が認められたことで、変わりつつあるものもあります。

 

抗生物質のポジションです。
私が大好きだったドラマ「JIN−仁ー」で華々しく誕生の逸話を描かれた抗生物質。
いままで治療が不可能だった感染症から人類を守り、絶対的な地位を築いてきましたが、最近なんだか雲行きが怪しくなってきました。

 

「大腸がん」と「抗生剤」の因果関係がわかりはじめ、医学界でも研究が盛んになっています。
病気を治療する作用がある一面と、腸内細菌を減少させて病気を産み出す一面と、2つの作用があることがわかってきました。
「感染症から身を守り、大腸がんも予防する。」
薬を慎重に使わなければいけない私達は、自分の健康管理を病院にだけ任せていてはいけないのかもしれません。

 

どんな目的で、どのくらいの期間、薬を使わなければいけないのか?
自分たちでも把握しながら、自分の体のことを守っていきましょう。
本日はちょっと真面目に(-_-;)
抗生物質と大腸がんについてお伝えしいたします。

 

 

抗生物質が大腸がんの発癌率を高める?

 

最近の研究で、2ヶ月以上抗生物質を使用したことのある女性は、大腸ポリープになるリスクが高くなることがわかっています。

 

20代、30代の女性のうち、抗生物質を使った合計期間が2ヶ月以上あった人は、そうでなかった人に比べてポリープになるリスクが36%と高くなっていました

 

40代、50代の場合は、このリスクが70%にも上昇してしまいます。

 

抗生物質を長期にわたって服用した場合、感染症を引き起こしている細菌は削除されますが、マイクロバイオーム(私達の体に生息する微生物の集合体)を作り出すその他の腸内細菌も一掃されてしまいます。

 

腸内細菌は抵抗性を高める働きがありますが、抗生物質によって完全に死滅されてしまった種類の腸内細菌が増えるほど抵抗性は下がってしまいます。

 

その結果、大腸の中でがんの前駆体(放置しているとがんになってしまう)であるポリープの発現する確立を高めるとことがわかりました。

 

 

 

抗生物質と腸内細菌

 

スタンフォード大学の研究員が同僚2人の抗生剤治療と腸内細菌の影響を調べたところ、治療開始から患者の腸内細菌の数は10分に1から100分に1に激減し、細菌の種類も25%から50%の菌が死滅してしまったといいます。

 

薬を止めたら腸内細菌は元に戻るのか追跡したところ、患者1人は回復したものの、残る1人は症状が回復しても腸内細菌叢が回復しなかったといいます。

 

このように抗生物質の影響には個人差があり、事前の影響を予測することは困難です。しかし、長期の使用は明らかに腸内細菌の種類と数を減少させるため、使用は慎重にするべきだということは明らかです。

 

 

 

抗生物質、どんなときに使う?使わない?

 

抗生物質が大腸にどんな影響を及ぼしているのか?
なんとなくおわかりいただけたかと思います。

 

腸内細菌のために「安易に抗生物質を使ってはいけない」ということを覚えておいて下さい。

 

でも熱が出たり、炎症が起きてしまった時には抗生剤も必要です。
薬を飲む飲まないを決まるときに大切な判断は・・・

・風邪の初期症状から抗生物質を服用しない
・飲んだり飲まなかったりしない(処方された日数分はしっかり飲む)
・予防的な投与はなるべくさける
・小さな子供は病気を繰り返して免疫力を獲得していくもの。幼少期にはなるべく抗生物質は避ける

 

腸内フローラの形成は幼少期が大切です。
これから子供を持たれるかたは、こちらも参考にして下さいね。

 

妊娠中にはビフィズス菌「妊娠中、妊活中こそが子供の免疫を作る!」抗生剤と失われる抵抗力

 

 

研修の帰り。歩き疲れてよっこらしょ。

 

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