母から子供へ残せるもの〜母乳育児の大切さ〜
おばあちゃんの言うことは間違っていない。
「子育てをしていく中で1番頼りになるのは、経験者の言葉である 」というのが、
子育て歴20年の私の持論です。
私は子供3人を母乳で育てました。
おっぱいで育てるというのは楽なように聞こえますが、じつは体力がいります。
消化が良く腹持ちの悪い母乳は、1日に何度も与えなければいけないので、
夜も眠れない、旦那に子供を預けて出かけるのも2時間が限度、貧血になりやい、
など母親の負担は大きいものです。
そんな大変な”おっぱい育児”を続けられたのは、義理母の言葉があったからだと思い起こします。
「母乳で育った子供は体が丈夫なのよ、栄養だけではない何かが入っているねよ、たぶん」
私が赤ちゃんを育てていた18年前はミルクがブームでしたが、私は義理母の言葉を信じて母乳栄養を続けました。
いまではそんな指導をしてくれた義理母にこころから感謝しています。
やっぱり親の言うことは聞くものだと。目上の人の経験則は正しいものです。
母乳と腸内細菌の関係がどんどんと明らかになり始めています。母体って凄いなぁと感心しちゃいます。
本日は、お孫さんの腸内環境をご心配される読書様、H様へ、赤ちゃんと腸内環境についてまとめてみたいと思います。
赤ちゃんはどうやって腸内細菌を獲得するの?
胎児が生まれるとき、ここで最初に母から腸内細菌を受け継ぎます。
羊膜が破れ、乳酸桿菌を大量に含んだ羊水で膣の中は満たされます。赤ちゃんが狭い産道を密着しながら降りて行くとき母親の細菌が赤ちゃんに受け渡されます。
その瞬間から赤ちゃんは、口腔、皮膚、腸管において母親の乳酸桿菌などの膣常在菌で埋め尽くされます。
そしてまだ出ないおっぱいを吸うことも赤ちゃんの本能です。
乳首の周りについた皮膚の常在菌を取り込んでいくのです。
母乳の神秘
妊娠をした女性の体の変化は神秘です。
母親の体は赤ちゃんが必要とするものを授けるために変化を続けます。乳頭の奥にヘテロ乳酸菌の一種であるビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属)のコロニーができあがり、母乳と共に排出されます。
赤ちゃんは初めて口にする母乳とともに、沢山のビフィズス菌を体の中に取り込んで腸の中に定着させるのです。これが赤ちゃんの腸内フローラのはじまりです。
いまから10年前、Pablo F. Perezらの研究グループがマウスの実験で酸素を嫌う細菌であるビフィズス菌が腸から白血球を通して乳腺へ運ばれることを発見しました。母乳の体は赤ちゃんのためにわざわざビフィズス菌を乳腺にまで輸送させていたのです。
とても凄いことですよね。
母乳にビフィズス菌が含まれているのは、母親の細菌を子供に引き継がせるために体が意図的に移動させていたのです。
帝王切開、人工乳の私の子供にできること
「私の孫は帝王切開でミルクだわ!この子は母親から細菌を引き継ぐことはできないのかしら?」
我が孫を見ていて心配になるのは当然です。
しかし、帝王切開になったのは母親の責任ではありませんし、母乳が十分にでないのも体質や環境も関係するため、ミルクで育てることを責める訳にもいきません。
しかし、母乳を与える努力は止めてはいけません。
ほんのわずかにしかでない母乳でもできるだけ吸わせることに価値があります。
ミクロの単位から見る細菌は、ゼロと1以上とでは全く意味が違うからです。
どういうことかといいますと、ほんのわずかでも細菌を受け渡すことができれば、細菌は繁殖をはじめその後の環境によって増え続けることが出来るということです。
その後、離乳食を始めたとたんに赤ちゃんのうんちは変わって来ます。
大人みたいな臭いや色形になることはご存じですよね。
それは、赤ちゃんのうんちの中の細菌の種類や数が劇的に変化するからです。いままでビフィズス菌だらけであった腸内に日和見菌が占めるようになります。
この時期に、より沢山の細菌を取り込むことが大切です。
保存料がふくまれたレトルトの離乳食を使うのではなく、自然な食品をより多く食べさせるようにしましょう。
また、親やお祖父ちゃん、お祖母ちゃんとのスキンシップも大切です。
キスをしたり、ほほずりをしたり、そんな触れあいの中にも菌の引き継ぎは行われます。
昔のお祖母ちゃんが孫に自分がかみ砕いたご飯を食べさせてたことも、理にかなっていたと言うわけです。
H様、いかがでしょうか?
義理の娘さんに母乳を勧める時には・・・
「おっぱいが出なくても赤ちゃんに乳首を吸わせることは良いらしいわよ。オキシトシンというホルモンがでて体の戻りを早めてくれるし、、美容にも良いホルモンらしいわよ。」
なんて言ってあげると良いのかもしれませんね。
あ〜〜、私も早く孫がほしいなあ。
可愛いお嫁さん募集中です(*^O^*)