腸のバリア機能を高めよう!
先日、みんなで食事をしながら蕎麦アレルギーの話になりました。
「蕎麦好きだけど蕎麦アレルギーがあって蕎麦が食べられない!」
「生蕎麦じゃなければ大丈夫かなと思って”どんべい”を食べたけど、喉がかゆくなって呼吸が苦しくなった!」
「蕎麦屋の前を通るだけでむずむずして蕁麻疹がでる」
蕎麦アレルギー人口の多さにびっくり!
同じテーブルにいた8人中3人も?!です。
それは大変だな〜〜。
街中で蕎麦屋をよけることはできても、駅のかけ蕎麦の前とか通れないじゃない!ホームを移動するときどうするんだろう??
うどんを食べたくても蕎麦を出しているお店には入れないしね。うどん専門店を探さなきゃダメだ〜。手軽に済ませられる食事だからランチにチョイスすること多いのにね。
私の周りには何かしらの「アレルギー」を持っているという人がほとんどです。
何も全くアレルギーがない野蛮人は私くらい。
アレルギーは現代病の代表です。
アレルギーや関節リウマチ、炎症性腸疾患(昨日の特集)、これらは「自己免疫性疾患」と呼ばれ「自分の免疫細胞が自分を攻撃する」という過剰な免疫細胞が原因で発症します。
原因ははっきりと解明されていないものが多く、現代病と呼ばれています。
この自己免疫性疾患と、腸内細菌の「酪酸産生菌」の関係性が解明されつつあります。
本日は、私達の腸のエネルギー源となっている「酪酸産生菌」についてまとめてみたいと思います。
酪酸産生菌とは・・・?
腸内細菌が作り出すもの中でとても大切なものは、「短鎖脂肪酸」です。
短鎖脂肪酸とは、腸内で食物繊維や難消化性の糖質(オリゴ糖)の発酵で生じる「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」「イソ酪酸」「乳酸」「コハク酸」などの炭素の数が7個以下の脂質のことです。この短鎖脂肪酸のひとつが酪酸です。酪酸を作り出す腸内細菌が「酪酸産生菌」と呼ばれています。
ちなみに、短鎖脂肪酸の役割とは・・・
・脂肪の蓄積を減らし、全身の代謝を活発にして肥満を防ぐ
・糖尿病を直接的に改善するホルモン「インクレチン」を増やす
・アレルギー反応を抑えるTレグを増やす
・脳内伝達物質であるセロトニンの分泌を促す
・腸のバリア機能を高めることで、食中毒、炎症、食物アレルギー、動脈硬化、がんなどの病気を防ぐ
・短鎖脂肪酸ができる過程で腸内細菌から水素が発生し、活性酸素を中和する
・腸管の活動エネルギー源となる
酪酸産生菌の働き
私達の体は外敵から身を守る免疫機能を持っています。
免疫機能を持つ細胞の7割が、腸管の上皮粘膜に集まっていると言われています。腸は、口や鼻から入ってくる細菌やウイルスなど体の害になるものを排除しなければなりません。しかし、腸管上皮細胞が弱っていると体にとって有害なものを取り込んでしまいます。
腸から有害な物質を取り込まないようにするためには「腸のバリア機能」を高めることが必要ですが、そこで重要な働きをするのが「酪酸」です。
「酪酸」は大腸の上皮細胞のエネルギーであり、腸管粘膜の傷を修復するのにも役立ちます。「制御性T細胞」の数を増やし、免疫のバランスを調整する働きを担っています。
少し難しくなってしまいました。
一言でまとめると、自分の免疫を支えるために大切な働きをしているものが「酪酸」。その酪酸を作り出している腸内細菌が「酪酸産生菌」です。
アレルギーや炎症性腸疾患に苦しんでおられる方の多くに、この酪酸産生菌が顕著に減少していることが解り始めました。
これはちなみに私の酪酸産生菌。平均値ですね。
腸内細菌をメタゲノム解析する「マイキンソーPro」で調べることができます。
酪酸産生菌を増やす食事
では、この免疫に大切な「酪酸産生菌」を増やすためにはどうしたら良いのでしょう?
やはり食物繊維です。
特にぬか漬けが良いようです。
私もぬか漬け始めようかな〜(そうだ!部長、ぬか床分けて下さい!)
食物繊維のサプリでお勧めはグァーガム分解酵素のファーバープロです。
病気を予防する上で大切なのは自分の免疫力です。
腸内細菌の酪酸産生菌を増やして健康な体を作って下さい。
PS:IBDでご入院中のK様、これからも腸内細菌と自己免疫疾患について書いていきますのでご覧になってみて下さい。1日も早くお元気になりますように。