女性の加齢臭
更年期になるとあっちもこっちもガタがきて困ります。
そりゃーそうよね。
だって、この体50年も使っているのだもの。
でも、この50年をどういう風に使ったかでその劣化度は違ってきます。
大切にメンテをしながら歳を重ねている人はまだまだ綺麗。
でも何もしないで経年劣化を重ねている人はやはりそれなり。
それは体の中も同じです。
足りなくなったものはきちんと補って、余分なものはきちんと排出する。
このメンテナンスをしっかりしていないと老化スピードは早くなります。
先日、5歳年上の先輩にこんな相談をされました。
「最近ちょっと気になることがあって・・・下着についたオリモノの臭いなの。気になって婦人科に行って検査したのだけれどなにも出なくて。これも老化現象なのかしら?」
そうなんですよ!
これも老化現象、女性特有の「加齢臭」ってやつ。
この臭いの原因は、膣内の細菌バランスの変化です。
病気というほどではないけれど、感染しやすい状態にあるサインです。
腸と同じ子宮や膣にも「フローラ」というものが存在します。
本日は子宮や膣の細菌について調べてみましょう。
膣や子宮にいる細菌
私たち女性の膣や子宮の中には沢山の細菌が住んでいます。健康な女性の膣内にはラクトバチルス(乳酸桿菌)という善玉菌が豊富に存在しています。
ラクトバチルスは乳酸や抗菌物質を産生し、病原性の細菌が増殖できないように酸性の環境を作り、感染症から子宮を守っています。
しかし、加齢と共に善玉菌であるラクトバチルスが減少し、様々な雑菌が増殖すると膣フローラが乱れ、膣の自浄作用が低下します。
カンジダやトリコモナス、クラミジア、真菌などの特定の病原菌がいなくても、膣内のPHが崩れ、膣粘膜内に炎症が起こりアミン臭(魚のような臭い)が発生する状態を「細菌性膣症」といいます。
細菌性膣症って病気?
本来、膣は自浄作用(自然に雑菌を排出する力)が高い器官です。
しかし、閉経前後の女性の膣環境はラクトバチルス菌が減少し、この状態は病原因の侵入を容易にしてしまいます。
病原因に感染した場合、抗菌剤や抗真菌剤によって菌を殺すことはできますが、膣フローラや子宮内フローラバランスが崩れてしまうため自然な膣環境を取り戻すことはできなくなってしまいます。
貧弱化した膣フローラ環境では、慢性的に雑菌の侵入が起こりやすくなり子宮細菌症になるリスクが高まります。
子宮細菌症の主な症状は、腐敗臭を伴うオリモノの臭いです。
これは性行為感染症のような感染とは違い、体の抵抗力が弱まったときなどに膣内に嫌気性菌が増えて発症します。
「性行為感染症の心当たりがないのにオリモノの臭いが気になる」という方のほとんどが膣細菌症といっても大袈裟ではありません。
治療法は?膣フローラを改善するには?
オリモノの臭いは女性にとって切実な問題です。
周りの人に気がつかれないか?など、精神的なストレスを抱えることになりかねません。
また感染を繰り返すと、子宮内膜炎、卵管炎、そして骨盤腹膜炎などに進展する可能性も高くなります。
子宮細菌症の治療は通常メトロニダゾール(商品名:フラジール)を使うことによって寛解します。
しかし、これは根本的な膣フローラの改善には繋がりません。
「ラクトフェリン」を内服すると膣フローラが改善したという報告がありますが、臨床試験データーは乏しくまだはっきりと検証されたわけではありません。
子宮や膣は腸と違い、摂取したものが直接届くわけではないため、フローラの変化をみるためには長い期間が必要です。
これから研究施設が増えてくれば、「どんな菌が有効なのか」エビデンスが集められると思います。
私もこれから「子宮細菌症」のリスクが高くなります。
自分の膣フローラの状態を知り、改善していかなければなりません。
そこで試してみようと思う治療法があります。
まだいくつかの産婦人科でしか取り入れられていませんが「膣用ラクトフェリンサプリメント」です。
ラクトバチルス菌を直接膣内に入れるわけですが・・・どの程度定着するのかは未知数です。
フローラは菌同士の縄張り争い。
自分の持っている菌組成によっては、効果が出ない場合もあるからです。
経過はまた追ってお知らせしようと思います。
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