腸内環境は幼少期の環境に左右される
腸内環境の構成を決めるのは出産環境、生活環境、乳児期の栄養環境によって決まると考えられています。
腸内フローラと呼ばれる細菌の叢は、生まれてから3歳くらいまでに取り込む細菌が共生し定着していきます。この複雑なバランスがヒトの健康を左右し、病気の原因となることが分かっています。
腸内フローラと体質
私には3人の息子がいますが、真ん中の次男だけアレルギーがあります。
このアレルギーの原因にはこころあたりがあります。次男はアメリカ・コネチカット州生まれ。
1歳の長男は完全母乳と手作り離乳食で育てました。次男は母乳でしたが、離乳食を半分くらい瓶詰めのレトルトを使ってしまいました。
アメリカでは離乳食を手作りするという習慣はほとんどなく、皆あたりまえのように瓶づめの離乳食を食べさせていました。
それもほとんどが甘いフルーツペースト。まだ若かった私は、子供の味覚の形成や食嗜好のことなど深く考えずに、手軽なフルーツペーストを使うようになってしまったんです。
また、アメリカでの外食といえば、ピザかハンバーガーかオイリーな中華料理。
外食して何か食べようと思うと選択肢がないんです(特にコネチカットは田舎だから)。幼少期からマクドナルドを与えられた次男は、フライドポテトが大好物になりました。
日本食で育った長男はいまでもほとんどジャンクフードは口にしません。
しかし、アメリカの味覚をすり込まれた次男はいまでもジャンクフードが大好きです。私に隠れてフライドポテトを食べています。
3男はほとんど私の手作り食だけで育ったので、コンビニのおにぎりやマクドナルドが食べられません。
いま思うと、「食育」だけは手を抜いてはいけなかったなと反省しています。小さな頃にすり込まれた味覚や食習慣はなかなか変えることが難しいからです。
本日は・・・子供の食育とアレルギーについてふれてみようと思います。
子供の腸内環境は幼少期に決まる
ここ数年、子供の腸内環境の悪化は深刻です。
小学校低学年の子供を持つ母親1000名を対象に「子供の腸内環境改善について」の意識調査を実施したところ、腸内環境の改善に取り組みたいと考えている母親は82%と高いものの、具体的な対策を毎日実施している家庭は25%と低い結果にとどまりました。
ジャンクフードはハンバーガーやフライドポテトだけではありません。ドーナツや甘いパン、ラーメンや具材がない焼きそばなども同じです。子供達が好きな食事ばかりですよね。
これらの食べ物には、化学調味料、食品添加物、保存料、着色料などの化学物質や、悪玉コレステロールを増加させるトランス脂肪酸が多く含まれると共に、油分、糖分、塩分を大量に使用しているため、幼少期の子供に与えるのはお勧め出来ません。
腸内フローラを作る食育とは?
子供の腸内環境は離乳食以降の食生活で大きく改善できます。そのためには「和食」中心の食事を心がけると良いでしょう。
離乳食後期からは「発酵食品」を意識して取り入れた食事を作ると良いと思います。
3歳くらいまでに取り込んだ菌が子供の腸内フローラを作ります。味噌や麹、納豆や甘酒などの発酵食品を取り入れることで腸内の善玉菌を増やすことが出来ます。
気を付けたいことは、安価な味噌煮は添加物や人口の塩である「塩化ナトリウム」が使われています。
成分表記をチェックして天然の塩を選ぶようにしましょう。天然の塩には、マグネシウムやカルシウム、ヨウド、珪素などが含まれます。こうしたミネラルは体の基礎となる大切な栄養素です。
また、いまの子供の食問題は深刻な食物繊維不足です。
お昼はコンビニのおにぎりだけ、なんてことは避けたいものです。食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整え規則正しい排便を促してくれます。カボチャやサツマイモのすりつぶし、煮まめ、ワカメや昆布の海藻類などは調理も簡単で食べさせやすいものです。
このように、離乳期以降の幼児から継続的に善玉菌を増やすような食事をさせることで、健康的な腸内環境を維持できるようになります。
小児アレルギーと腸内細菌
ジャンクフードは食品添加物がとても多く、腸内環境を悪化させることは言うまでもないかもしれません。
しかし、あまりに手軽で安価なためついつい与えてしまうという方も多いのではないでしょうか?
ジャンクフードは、高脂肪、高カロリーなだけではなく、依存性が高いことも問題です。糖質と脂質は満腹感をもたらすため「また食べたい」という欲求が強くなります。子供ならなおさらです。
加工食品やジャンクフード食の比率が増えれば増えるほど、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足し腸内環境は悪化して行きます。実際に、週3回以上ジャンクフードを食べている子供には喘息などのアレルギー持ちが40%近く高い傾向があると言われています。
また、脳の成長にも関与があることが分かっています。3歳までにジャンクフードを与えられた子供と与えられなかった子供では、IQが5ポイントも変わるそうです。
ジャンクフードを過剰に摂取してしまうと、健全な腸内フローラが育つことを妨げてしまうおそれがあります。そのことが、小児アレルギーの発症にも関わっているのではないかと考えられています。
私達母親は、子供の体が丈夫で元気でいて欲しいと願うものですよね。免疫力を高めて丈夫な体に育つためには、腸内環境を整えることが大切です。食物繊維を多く含む食品、発酵食品は腸内環境を整える働きをしてくれます。手の込んだお料理は必要ありません。野菜、魚、少量のお肉、お米、毎日シンプルな食育を心がけて行きましょう。