やってはいけない民間療法
ちまたには根拠のない健康情報があふれています。
尿を調べるだけで癌がわかる!(わかりません)
水素水を飲めば癌が治る!(なおりません。空気中にも水にも水素は含まれています)
玄米は有毒だ!(玄米にはフィチン酸という鉄や亜鉛の吸収を妨げる成分が含まれるため、吸収阻害を起こすのではないかと言われていますが、影響がはきっり分かるようなデーターはありません)
まさか真に受ける人はいないだろう?と思っているとそうではないようです。
先日もエステシャンのTさんよりご質問を受けました。
「良子先生、コーヒー浣腸がデットクスに良いって聞きました。門脈の血流を促進させるって本当ですか?」
またまたマニアックなもの探してきましたね〜、Tさん。
かなり前に流行ったコーヒー浣腸ですね。
まさかやってみたとか?
「・・・」
よくそんなコーヒーなんかお尻から入れようという気になったものです。
直腸に色々なものを入れてはいけません。
腸は出すところ。基本は下からものを入れてはいけません。
効果があるとかないとかいうレベルの話では無いと思いますが・・・
一応、なぜコーヒー浣腸をやってはいけないかをお話しておきますね。
コーヒー浣腸ってなに?
コーヒー浣腸は、肛門からぬるめのコーヒーを直腸内に注入しカフェインを吸収させることで血流を良くして胆汁の排泄を促すからデットクスに効果的で身体にいいと唄っています。
普通の市販の浣腸とはだいたい30〜40gくらいです。直腸にある便を軟らかくして排泄させること目的とします。
それに対してコーヒー浣腸は1Lのぬるめのコーヒーをイルリーガードルという器具を用いて注入していきます。少し高いところから圧をかけて薬液を落とすタイプの高圧浣腸です。週に2〜3回やると良いと推奨しているようです。
よくこんなものを推奨するものだとびっくりします。
イルリーガードル使用した浣腸というのはいわゆる医療行為であり、病院内でもそんなに頻回に行うものではありません。私達看護師が血圧や全身の状態を観察しながら注意深く行う処置です。なぜなら急激に腹腔内圧を上昇させると気分不快や血圧の低下、上昇、腹痛を起こすからです。しかも1Lも入れるなんてあり得ません。
どうしてコーヒー浣腸をやってはいけないのか?
コーヒー浣腸を推奨している事業所はコーヒー浣腸が身体に良い理由をこのように説明しています。
全身の血液は、肝臓を3分ごとに通過しています。コーヒーの成分であるカフェインに触れた直腸の血管は広がり、肝臓へと延びる門脈も拡張します。
直腸から肝臓への血流は増加し、胆管は血液で膨張します。胆汁の量が増え、内臓の平滑筋は弛緩し、その結果、血清とその成分は解毒されるのです。
さらに直腸にとどまったカフェインは、内臓神経系を刺激して蠕動運動を促し、栄養素の消化、吸収を助けます。
直腸から入った浣腸液は、結果的に胆汁液を薄めるため、胆汁液の分泌が盛んになってさらに胆汁液の量は増えます。このとき胆汁液の毒性が洗浄され、酵素触媒であるグルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)により解毒効果はいっそう高められるのです。
直腸内に入れた薬物は大腸粘膜から吸収されますが、大腸に分布している血管は肝臓を通過しません。そのため高い濃度のまま血管に薬物が行き渡ります。解熱剤を座薬として使うのもこの原理からです。
このように急速にカフェインを吸収させると気分不快を起こしたり、電解質異常をきたしてショックを起こすことがあります。
自分で高圧浣腸をやってはいけない。便秘の時に選ぶのは薬?浣腸?
イルリーガードル使った高圧浣腸は自宅でやるべきではないと医師達も言っています。
「モーニングショー」に登場した東肛門科胃腸科クリニック・東光邦院長は、そのまま器具を使用すると「直腸に傷をつける可能性がかなり高い」と指摘した。そうなれば細菌が入り込んで感染症を引き起こし、場合によっては命にかかわるというのだ。(ヘルスケアより)
東肛門科胃腸科クリニックの東光邦医院長は私が一緒に働いていた先生です。ナースキュアのHPにもご登場いただいています。
便秘で困って浣腸を行う場合は、市販のイチジク浣腸のようなものがお勧めです。
ノズルも短いため直腸を傷つける可能性が低く、量も多くないため気分不快を起こしにくいです。ただ浣腸ばかりを繰り返していると外から刺激を与えないと直腸が動かなくなってしまうこともあります。
市販薬の便秘薬と併用して便が硬くなりすぎないように注意しなければなりません。酸化マグネシウム製剤が習慣性になりにくいためお勧めです。
例えば・・・3Aマグネシアとかミルマグとか。
身体にいいことというと何でも試してみたくなる気持ちもわかりますが、始める前にまずは誰かに相談してみて下さい。極端なキャッチフレーズにどうか惑わされないようにして下さいね。
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