祝!便秘薬卒業。「3日で便秘が改善しました!コーラックから離脱です」便秘に新薬ラッシュ

祝!便秘薬卒業

 

以前より、便秘のご相談を受けているK様よりご連絡をいただきました。

 

「良子ちゃん、良子ちゃん、僕、普通のうんちが出るようになったよ!しかもたった3日で!10年ぶりくらいにバナナみたいなうんちが出たんだよ。こんなスッキリした気分は久しぶりだ。ありがとうね〜。でも一言だけ言わせてね、あの緑色の箱に入った白い粉、あれは不味くて続けられそうもないよ。カプセルの方だけでいいよね?」

 

K様は長年コーラックを飲み続け、便秘歴10年。
立派な便秘薬依存症でした。
時には酷い排便障害に悩まされ、寝込むこともあったそうです。
ご相談されるたびに、
「薬を変えて、ご自分の腸を動かして行きましょう。」
とご提案しておりましたが、なかなか薬を手放すことが出来なかったようです。

 

「明日は大事な打ち合わせがある」
「今週は海外出張だ」
なかなか「ゆっくり排便をコントロールしよう」という気にはなれなかったようです。
そうですよね。忙しい毎日、排便のことで時間を割いてはいられないものです。

 

でも、最近よく特集される腸内フローラのテレビを見て、
「良子ちゃんの言っていることは本当だったんだ・・・」
と思われたそうです。
3ヶ月前にご購入いただいた「ナースキュアビフィズス菌BB+オリゴ糖」と食物繊維「ファイバープロ」(不味いという白い粉)をやっと先週から試し始めてくれました。

 

取りあえず、「薬がなくても排便できる」ことを体感いただいただけで、一歩前進だと思います。
刺激性下剤を手放せない人の多くは「出ないことの恐怖」を抱えています。
薬の種類を変えて、自分の腸蠕動(ちょうぜんどう:腸が収縮する運動のこと)を呼び起こすことは、そんなにも難しいことではないのですが・・・

 

便秘に悩んでいる方へ
まずはご自分の便秘薬がどんな種類の薬なのか把握してみて下さい。
近年、便秘薬はかなり改善が進み、「依存性」に傾きにくい新しい薬が発売されています。
本日は・・・日経新聞で特集されていた便秘薬の内容をお伝えしたいと思います。

 

 

便秘に新薬ラッシュ

 

32年ぶりの新薬登場として話題を呼んだのは2012年に発売された「アミティーザ」。
しかし、アミティーザが発売されて以降、新しい便秘治療薬の発表はありませんでした。
刺激性便秘薬の副作用が取り上げられ、慢性便秘に効く新しい治療薬が待ち望まれていました。

そんな期待のなか、2017年には「リンゼス」「スインプロイク」が登場。2018年には「グーフィス」が加わり、18年末にはさらに1種類の登場が見込まれています。

 

 

アミティーザとリンゼスの比較

 

便秘は女性や高齢者に多く、日本には推定450万人の患者がいると言われています。
しかし、これまで処方されてきた薬剤のほとんどが、便の水分を増やす酸化マグネシウムか、腸を刺激して活性化する植物成分のセンナの2成分が中心でしたが、改善されずに悩んでいた人も少なくありませんでした。

 

そこに登場したのが、刺激性ではない「便の水分を増加させる」アミティーザとリンゼス。
この2つの便秘薬が病院で処方され始めている薬ですが、どうちがうのでしょうか?

 

・アミティーザ・・・腸粘膜にある塩素イオンチャンネルに結合し、腸液に量を増やして便を軟らかくする作用があります。しかし、1日の薬価322.2円と高額なのが難点でした。また女性は副作用で気持ちが悪くなるという報告も多いものです。

 

・リンゼス・・・グアニル酸シクラーゼC受容体作動薬。腸粘膜上皮細胞に発現しているグアニル酸シクラーゼ受容体に局所的に結合し、同受容体を活性化することで腸管分泌及び腸管輸送能を促進し、加えて内臓痛覚過敏を改善します。1日の薬価184.8円、アミティーザよりも安くはなりますが、それでもまだ高額です。また、現在では「便秘型過敏性腸症候群」の患者さんのみ保険適応です。(2018年、慢性便秘にも保険適応になる見込み)

 

 

新薬はまだ薬価が高いため、結局「マグミット」でいいのでは?という患者さんが多いのも現実です。⇒マグミットの詳しくはこちら

 

 

ポリエチレングリコールも近く登場?これは腸内細菌にとって・・・

 

欧米で便秘の第一選択薬であるポリエチレングリコールも近く登場する予定です。
これは大腸内視鏡検査の時にお腹を空っぽにする時に使っている薬です。
「お腹の中がスッキリとする」
と腸洗浄などにも使われたりしますが・・・

 

 

腸内細菌叢が大きく変わってしまうことがあります。⇒東北大学田中先生の見解
検査後、しばらく下痢をしてしまう患者さんも多くいらっしゃいました。
このポリエチレングリコールを使って、どんな薬が登場するのか興味深いものです。

 

それぞれの症状に合わせた便秘薬の登場で、便秘に悩む方の症状改善に繋がることは素晴らしいことです。
しかし、腸内環境を本当の意味で変えることが出来るのは食生活です。
「薬を飲んで便を出せれば良い」のではなく、きちんと便の材料になる食事を摂り、腸内細菌を育てることが本当の便秘の治療だと私は考えます。

 

K様、このまま頑張って腸内環境を整えて下さい!
お肉ばかりではなくお野菜もね〜〜(*^O^*)

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