便の臭いでわかる腸内環境
私は公衆トイレに入るのが嫌いです(好きな人なんかいませんよね(ーー;))
どうしても便臭が気になって仕方がなんです。
消化器科の仕事が長かったせいでしょうか?
便の臭いから想像できる病気が頭にまとわりついてしまうのです。
うんちの臭いなんてみんなが臭い。
そんなの気にしたことがないわ。
という人がほとんどかもしれません。
しかし、便の臭いは様々で病気によっても変わるんです。
私は毎日患者さんの「便」を観察し、変化をみるのが仕事でした。
消化不良のタンパク質はアルカリ性の臭い
吸収されなかった炭水化物は発酵して酸性臭
肉食が多いと腐敗臭
脂肪が多い時には酸性臭
直腸がんは強烈な悪臭そんな臭いから症状の変化を観察したものです。
でも、同じものを食べている家族でも便の臭いって変わりますよね?
それはなぜでしょう。
答えは「年齢」です。
本日は・・・臭いで判断する腸内環境、いってみたいと思います。
そんなところまでBBA化
うんちにもおばさん臭がある
自分のうんちの臭いの変化を感じたことはありますか?
若い頃はここまで臭っていなかったのに・・・
そんな風に感じる朝が増えてきたのではないでしょうか?
うんちの内容物は、食べ物の消化吸収された残りカスと腸粘膜のはがれ落ちたもの、腸内細菌の死骸、それと水分です。
食べ物の残渣には「メチルメルカプタン」という便特有の臭い分子が含まれています。これは豆や玉ネギなどの多くの食材に含まれていて臭いの元となっています。しかし、これだけなら臭いはしても悪臭にはなりません。
便がくさいものに変化するのは、「インドール」「スカトール」「硫化水素」「アンモニア」といった、タンパク質が腐敗発酵されて発生するものが加わるからです。
年齢と共にうんちの臭いがきつくなるのは・・・
・消化能力の低下
・悪玉菌の増加
・腸内停滞時間が長すぎる、短すぎる
という3つの要素が絡み合って原因をつくります。
おばさんうんち臭を減らすためには・・・
そんなことをいっても加齢変化だから仕方がない。
そう諦める前にできるだけ臭いを抑える努力をしてみましょう。
まずは、「よく嚼む」こと。
悪臭の原因のひとつには、タンパク質の腐敗発酵があります。
これは未消化のタンパク質が元となります。
よく嚼んで消化された食べ物は腸での腐敗が抑えられます。よく嚼むと、消化酵素を含む唾液が沢山でて食べ物を十分消化して腐敗を予防してくれます。
また、「ストレスをため込まない」こと。
ストレスがたまり交感神経優位になると、胃で分泌されるペプシンが抑えられ腸での腐敗を招きます。ペプシンとは、タンパク質を消化する酵素です。
また交感神経優位になると腸の蠕動(みずから動く動き)運動が早くなりすぎたり、止まってしまったり便秘や下痢を誘発します。
そして、最も大切なことは「腸内環境」です。
年齢による腸内細菌の変化とは、ビフィズス菌が減少し腸内細菌の多様性が低下することです。
ビフィズス菌は腸管免疫を高め、エサとして主に炭水化物を分解するので臭いになりません。ビフィズス菌サプリメントなどを飲み始めて「うんちの臭いが改善した」と感じるのはそのためです。
そこに病気は潜んでいないか?
私が内視鏡センターで働いていた時、臭いで「この人は大腸に病気があるかもしれない・・・」と感じたものです。
大腸がんが生息する腸内は臭いがきつく、それが体臭となって現れます。
大腸がん患者のおならに含まれるメタンチオールという腐った玉ネギのような臭いを発するガスは、健康な人の十倍以上という報告があります。
また潰瘍性大腸炎の方の便は酸味がある臭いがします。
腸粘膜に潰瘍やびらんができると、便に硫化水素を多く含むようになるため腐った卵のような臭いが強くなります。
「最近、うんちの臭いが異常だ」
と感じた時には、消化器内科に受診をし大腸内視鏡検査を受けるようにして下さい。
うんちの臭いは腸内環境のバロメーター、しいては健康の物差しでもあります。
見ないようにしようと、サッサと流してしまわず、毎日の変化を観察するようにしてください。
臭いが気にならなくなったら、腸のアンチエイジングは成功です!
若いうんちの作り方はこちらを参考にしてね⇩
うんちの量と美人の法則vol8・・・若い頃と便が違う?うんちのエイジングケアに必要な3つのこと