便秘や下痢に悩まされる方へ
腸内環境を改善して排便がスムーズになる人は、基本通過障害がない場合です。
✓腸が長かったり
✓お腹の手術をして腸が癒着していたり
✓盲腸や憩室炎の既往があり腸が癒着していたり
✓ホルモン剤を服用しているため腸蠕動が低下していたり
✓抗生剤やステロイドを使っていたり
✓抗精神病薬を服用していたり
✓胃の摘出手術をしていたり
腸蠕動障害を起こす原因が他にある場合は、
善玉菌を摂取するだけでは、なかなかスムーズな排便リズムが得られません。
そのような場合、排便コントロール対処法は人によって異なります。
ご質問をいただいている方へはできるだけ詳しくお答えしようと心がけておりますが、
更に詳しい内容はこちらで共有させていただきたいと思います。
同じようなお悩みを抱えている方へ
少しでも解決の糸口になっていただければ幸いです。
シンバイオティクスEXで排便コントロールが上手くいかない
お客様よりこんなご質問をいただきました。
ナースキュアを飲み始めて3ヶ月になりますが、行き詰まっています。
旧ナースキュア→シンバイオティクスEXに変えたら便秘になってしまいました。ブログを読んで、酸化マグネシウム併用で出るようになりました。ただ1日に何回も出るのでお尻が痛くて辛かったです。マグネシウム併用から1ヶ月経ってからまた出なくなりました。たまに出ても少量なのでお腹が張るし、食後の下腹部痛が辛いです。2錠にするともっと便秘がひどくなります。
私の返答です。
シンバイオティクスEXに変えてから調子が悪いのですね。
旧商品に比べて菌量が圧倒的に多いので、通過障害や機能障害がある方はお腹が張ってしまうことがございます。特に黄体ホルモンを飲まれている場合、腸の動きは抑制されるため、
菌量を増やすことで便量が増加し腹部膨満感の原因となります。マグネシウム製剤を併用すると、排便回数が増えて辛いということですが、
その理由は、腸の機能が低下しているところに便の水分量が増えると、「少しずつ押し出される」という状態になるからです。解決策として考えられる選択肢は、
1:シンバイオティクスEXから旧商品ビフィズス菌BB+オリゴ糖に変更する
2:シンバイオティクスEXは1錠にし、食事にオリゴ糖を取り入れる
3:黄体ホルモンを使用している間は、弱めの刺激性下剤を使う1番目から試してみて効果のほどを見てみるのはいかがでしょうか?
旧商品ビフィズス菌BB+オリゴ糖はもう市販していないため、
こちらにお問合せいただく形になります。
ただ旧商品は在庫がわずかなため、2番から試してみることにしようという結論になりました。
ここでなぜオリゴ糖を足す方が良いのか?
ご説明いたしましょう。
オリゴ糖が菌を育てる!
私が作っている腸活サプリは他社製品とは大きく異なります。
普通は菌だけ、もしくは数種類の菌を混ぜ合わせているだけ。
ナースキュア「シンバイオティクスEX」は大腸の中で菌が増えるような配合を工夫。
それぞれの菌が好むオリゴ糖を選択的に配合しています。
しかし、この配合は商品管理が難しいため、これ以上オリゴ糖量を配合することができません。
あまりオリゴ糖を増やすと水分を吸湿してしまい、菌が死んでしまうからです。
だからシンバイオティクスEXを飲んでもスッキリ感が足りないという方は、
食事にオリゴ糖を足すことで満足度が高まるかもしれません。
オリゴ糖の便通改善効果
オリゴ糖は胃や小腸では吸収されにくい難消化性糖質です。
そのため血糖や血中インスリン濃度を上げることなく大腸に到達します。
大腸に届いたオリゴ糖は、選択的にビフィズス菌によって資化されます。
腸管でビフィズス菌が増え、ビフィズス菌が短鎖脂肪酸を産生し、
腸管内のpHが下がり腸の動きが活発になります。
ビフィズス菌や乳酸菌は、それぞれ資化しやすいオリゴ糖が異なるため
どんなオリゴ糖でも同じというわけではありません。
腸内細菌による糖の資化性(糖が腸内細菌を増やす力)
Bacteria グルコース フラクトオリゴ糖
(メイオリゴP) 1-ケストース ラクチュロース ラフィノース 4’-ガラクト
オリゴ糖 6’-ガラクト
オリゴ糖
Bifidobacterium
(ビフィズス菌)善玉菌B. adolescentis ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
B. bifidum ++ – – ++ – ++ ++
B. infantis ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
B. longum ++ ++ ++ ++ ++ ++ ++
B. breve ++ + ++ ++ ++ ++ ++
Lactobacillus
(乳酸菌)善玉菌L. acidophilus ++ + ++ ++ ± + –
L. plantarum ++ + ++ ++ – データなし データなし
L. casei ++ – – ++ – データなし –
L. fermentum ++ – – + + データなし +
L. salivarius ++ + ++ ++ ++ データなし +
Bacteroides
(バクテロイデス属)日和見菌B. distasonis ++ ++ ++ ++ ++ ++ データなし
B. fragilis ++ ++ ++ ++ ++ ++ データなし
B. melaninogenicus ++ ++ ++ – – データなし データなし
B. ovatus ++ ++ ++ ++ ++ データなし データなし
B. thetaiotaomicron ++ ++ ++ ++ ++ データなし +
B. vulgatus ++ ++ ++ ++ + ++ +
ClostridiumC. butyricum ++ ++ ++ ++ ++ データなし データなし
C. difficile ++ – – – – – データなし
C. paraputrificum ++ – – + – – データなし
C. perfringens
(ウェルシュ菌)悪玉菌 ++ – + ++ – – +
C. ramosum ++ + ++ ++ + – データなし
C. sporogenes
(スポロゲネス菌)悪玉菌 ++ – ++ ++ – データなし ±
EscherichiaE. coli(大腸菌)悪玉菌 ++ – – ++ – – +
++:グルコースと同じ +:グルコースより弱い ±:わずかに増殖 -:増殖せず出典:徳永、「食品と科学」1991増刊号/日高ら, 「理研腸内フローラシンポジウム 4 腸内フローラと食物因子」(1984)
実際にオリゴ糖は、抗精神病薬を使う患者さんや介護施設などでも幅広く使われています。https://nsmc.hosp.go.jp/Journal/2016-6/SMCJ2016-6_original04.pdf
ちなみに摂取量ですが、始めは少量から
徐々に増やしてご自分の適量を探して見て下さい。
黄体ホルモンを使用の場合、7gまで増やしても問題はありません。
腸内菌叢改善に対するフラクトオリゴ糖摂取の量依存性
摂取量 ビフィズス菌数 ウェルシュ菌検出率
1g 平均2.5倍増加
(p<0.05で有意) 減少
3g 平均3.2倍増加
(p<0.05で有意) 減少
5g 平均4倍増加
(p<0.01で有意) 減少
徳永ら, ビフィズス , 6, 143-150
Y様、解説が遅くなり申し訳ございませんでした。
またなにかご不明な点がございましたら、いつでもご相談いただけますでしょうか?
快適な排便習慣目指して一緒に頑張りましょう。
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