抗生剤を飲むとお腹がゆるくなる?「薬を止める時は自己判断はダメ」腸内フローラと下痢
抗生剤を飲むと下痢になります
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知り合いの患者さんから連絡が入りました。
どうやら膀胱炎になってしまったようです。
気温がグッと下がりましたし、水分を取る量も減ってきたため感染しやすくなってきたのですね。
ちょっと炎症が酷くなってしまったのか、高熱がでて食力も低下してしましました。
病院から抗生剤を処方されて飲んでいましたが、今度は「下痢になってしまった!」らしいのです。びっくりして私に連絡をしてきてくれました。
よく聞く話ですよね。
抗生剤を飲んだら下痢になった。
細菌を殺すはずの薬を飲むとどうして下痢を起こすのでしょうか?
本日は抗生剤と下痢についてお話したいと思います。
抗生剤を飲むと下痢をするのはなぜ?
抗生剤は感染の原因となる細菌を殺すことが主な作用です。
しかし、薬は病気の原因となっている菌だけを狙い撃ちにはしてくれません。
そのため良い働きをしてくれている腸内細菌まで殺してしまうので「下痢」を引き起こしてしまうのです。
すべての抗生剤が同じ理由で下痢を起こすのではありません。
抗生剤の種類によって下痢を引き起こすメカニズムが違います。
・マクロライド系(クラリスロマイシン、エリスロマイシン)→腸の動きが活発になる→下痢
・他の抗生物質→腸内細菌が減少する→下痢
下痢をしてしまうと、抗生剤が合わないのかも?と心配になるかもしれませんが、単純にそういう問題ではないようです。
下痢をしたら薬を止めるべき?
薬を飲み始めたら下痢になった!
そう慌てて薬を止めてしまう人がいます。
細菌感染の症状が出ている状態で治療が終了する前に自己判断で薬を止めてしまうのは、とてもリスクが高いものです。
・病気の原因となっている細菌が死滅しない
・耐性菌ができてしまう
1日に何回も下痢を起こして脱水になってしまうようであれば別ですが、緩くなるくらいの状態でしたら継続する方がよいと思います。
自己判断せずに、まず医師に相談してください
下痢をした時の注意点
抗生剤を飲んでいる間はお腹が緩くなってしまうのは、どうしても仕方がありません。
抗生剤と一緒にビオフェルミンRやラックビーなどの整腸剤が処方されると思いますので併せて飲んでください。
それとともに下痢を誘発するような食事や刺激物は避けてください。
・水分をこまめに沢山摂ること
・脂肪分や油分をさけること
・生野菜などはさけ柔らかい野菜などが良いです
・牛乳や乳製品はしばらく止めましょう(カルシウムは抗生剤の効き目を弱めてしまいます)
・1度に食べる量は減らして、こまめにエネルギーを摂るようにしましょう
・こんな時は糖質制限は止めて下さいね、お粥が1番です
また、きちんと治療を終了してから腸内フローラを整える「腸活」を始めてください。
抗生物質を安易に多用することもいけませんが、肝心な時にきちんと使わないとかえって病状が悪化してしまうこてがあります。
皆様も正しい薬の使い方、心がけてくださいね。