便秘でお腹がはって苦しい!
本日の午前10時、これから赤坂へ打ち合わせに向かおうとした時です。
私がケアマネをしていた時の患者さんから電話が入りました。
「いま家内が旅行中でいないのだけど、3日前から便秘で苦しくてお腹がはって倒れそうなんです。冷や汗も止まらない。良子さん、申し訳ないんだけれど来てくれないだろうか?」
Kさんは74歳、男性、変形性膝関節症で私の受け持ちの介護保険利用者様でした。
3年間、毎月訪問するうちに仲良くなり、私がケアマネを止めてからも時々連絡を下さっていました。
そのKさんが自宅で1人で苦しがっている?!
大変、大変。
仕事の方に電話をして打ち合わせの時間を変更してもらいました。
急いでKさん宅へ到着すると、Kさんは青い顔をしています。
ずっと続けていたコーラックがなくなって3日間飲まなかったら、お腹が張ってどうにもならなくなってしまったのだそうです。
そんな時はどうしたらいいのか?
本日は、便秘による腹部膨満感(ぼうまんかん)の解決法です。
便秘のゆくえ
私がKさん宅へ到着すると、Kさんはトイレの前でうずくまっていました。
トイレマットは便汁で汚れている。
「どうしたのだろう?」
とりあえず、汚れてしまったKさんをお風呂へ入れるためにお湯を沸かしながらお話を聞きました。
3日前からいつも飲んでいるコーラックが無くなってしまい、便が出なくなって4日目。
奥様はお友達と旅行に行っていないので、薬の買い置きがどこにあるのかわからなかったそうです。
まあ3,4日なら大丈夫かなと思い放置していたのですが、今朝からお腹が張るとともに気分が悪くなり「これはやばい」と焦って薬局へ。”イチジク浣腸”を買ってきて自分で立ったままやってみたのですが、便が出る前に浣腸液だけが出てしまいました。そのためトイレマットを汚してしまったのです。
自宅での浣腸のやり方
顔色が悪く血圧も下がっているようなので、まずは湯船で体を温めてもらいました。
私も出先から直接Kさん宅へ伺ったので、いつもの看護セットを持ち合わせていません。Kさん宅にあるのは、あと1つ残されたイチジク浣腸だけ。
この残された浣腸を効果的に使わなければ、Kさんの具合は更に悪くなってしまうことが予想されます。
トイレに座ったままや、立ったままで浣腸を行っても、浣腸液がすぐに流れ出てしまうため不向きです。ベッドにタオルを敷いて左を下にして横になってもらいました。
左を下にするのには理由があります。
看護Rooより
イチジク浣腸は挿入部分の管が短いので危険がありませんが、長いタイプのものは立ったままの姿勢は禁忌です。
看護Rooより
緊急時の時のために座薬を常備する
浣腸をしたあと10分ほど横になってもらいました。それは直腸に溜まっている便を軟らかくして出しやすくするためです。
その後、トイレにいって足を高くした状態で排便をしてもらったところ、しっかりとした排便がありました。
ホッとしました。
これで救急車は免れたかな。
暖かいお茶を飲んでもらい気分が回復したのを確認して、私は再び打ち合わせへと戻りました。
夕方、仕事帰りにKさんのお宅に立ち寄ってみたのですが、すっかり元気になって食事も摂れたようです。
私は、薬局で購入した座薬を手渡しました。
便秘で具合が悪くなったときに、自分1人で浣腸をするのは難しいものです。
”ヒサコジル”が主成分の便秘用座薬は、刺激性下剤なので普段から常用することはよくありません。
しかし、お腹が便やガスがたまって膨満してしまった時には座薬を使って排出を助けてあげることも1つの手です。内服薬より体への負担が少ないためお勧めです。
Kさんは「コーラック」から離脱するために、これから対策するしていくことになりました。
Kさん、腸が持つ力を取り戻すために一緒にがんばりましょうね。