あ〜、みぞおちがキリキリする、胃が重い!
たばこが止められないNさん。
いつも胃の辺りを押さえています。
介護事業所の社長のKさん、ガスター10をラムネのように食べています。
お二人とも、胃酸が出過ぎてしまうのでしょう。
「良い胃」とは良妻のようなもの。
だまって働き、自己主張をしない。
男性が休んでいる間も陰でしっかり仕事をする。
まるで私とは正反対。
そんな我慢強い胃が悲鳴を上げ始めたら要注意。
妻から三行半を突きつけられる前に、対処をしなければなりません。
「胃の存在を感じるようになった」ということは、胃の調子が悪いということです。
薬の進化により、胃の病気は減ってきました。
数十年前のように、胃から吐血して病院に運ばれる患者さんも少なくなりました。
でも胃のトラブルを抱えている人は沢山います。
それは精神的なストレスや緊張が、胃にダメージを与えてしまうからです。
本日は、胃炎の種類と症状をまとめてみたいと思います。
いざという時に慌てないように、病院に行かなければならないタイミングを知っておくことが大切です。
胃炎の原因
胃炎の原因はいくつかありますが、一番大きいのはストレスによって自律神経が乱れることです。胃の働きをコントロールする自律神経が乱れると、胃酸の分泌が活発になり、自分の胃酸で粘膜を傷つけてしまうのです。
暴飲暴食やたばこ、消炎鎮痛剤も胃炎の原因となります。
刺激のあるものを口にすることで、粘膜が炎症を起こしてしまうこともあります。特にたばこは、胃粘膜の血流を悪化させるため胃炎や潰瘍の原因となります。
痛み止めを飲み過ぎると胃が痛くなる経験をしたことがある人も多いと思います。
以前は、バランス理論と言って、攻撃因子(胃酸・ペプシン)と防御因子(粘液・血流・粘膜の抵抗力など)のバランスが崩れると胃炎が起こると考えられていました。しかし最近では、ヘリコバクターピロリ菌が深く関わっていることがわかっています。
胃炎の種類
胃炎の種類はまず急性胃炎と慢性胃炎にわかれます。
急性胃炎はストレスなどによって短期間で炎症が起こってしまうことです。
環境が変わってストレスがかかると一晩で胃に穴が空くと言われています。
慢性胃炎は以下のように分類されます。
◆表層性胃炎・・・表面が筋のように赤みをおびて炎症を起こしている状態です。顕微鏡でみると好中球(急性炎症をおこす細胞)が粘膜内にたくさんいます。ピロリ菌感染に対して人体の免疫系が活発に防御反応を起こしている時期です。
◆萎縮性胃炎・・・表層性胃炎が「炎症の火が燃えた状態」にたとえるなら、萎縮性胃炎は「燃え尽きた後」にたとえられます。細胞が分裂する活力を失い、細胞数が減少します。粘膜がうすく脆弱になります。
◆びらん性胃炎・・・びらん性胃炎は、胃の粘膜が傷ついた状態のことを言います。痛みや出血を伴うことが多く、胃のむかつきや不快感が現れることもあるでしょう。胃の出口付近にびらんができている場合もあります。
◆腸上皮化生・・・萎縮性胃炎が更に進むと細胞が変性します。なぜそうなるのかは不明なのですが、胃の細胞が腸の細胞のように変化します。これを腸上皮化生と呼びます。この状態は胃ガンが発生しやすくなり、最近では癌と共存する病変と考えられています。
胃炎の治療法
胃の痛みが気になり出したら、まずは毎日の食事内容を見直してみて下さい。
◆食事療法
食事は消化の良い炭水化物、「煮込みうどん」や「おかゆ」などを主食に。
「魚」「鶏の胸肉」などの脂肪が少ないタンパク質を摂りましょう。
朝食は抜かずに3食規則正しく食べること。食事と食事の時間が空きすぎると胃酸で胃壁が攻撃されてしまうことがあります。
避けた方が良い食べ物は、「香辛料」「アルコール」「脂肪分が多いもの」「たばこ」などです。
◆薬物療法
炎症の状態や時期によって使われる薬は異なります。
一般的には、胃酸分泌抑制薬、胃粘膜保護薬、胃の運動機能改善薬などが使われます。
炎症初期の粘膜保護にお勧めな薬がこれ!
アルロイドGです。
商品名アルロイドG=成分アルギン酸ナトリウムは粘液質の水薬ですので、空腹時に飲むことで胃粘膜に密着しバリアーを張ってくれます。
アルギン酸は食物繊維の一種で、消化管からは吸収されません。アルギン酸ナトリウムは増粘剤、安定剤、ゲル化剤などの食品添加物として利用されていますが、これを医薬品として応用したものがアルロイドGです。
防御因子としては有能な作用をしめしますが、それ以外の強力な作用はありません。その代わり、副作用も少ないです。
アルロイドGは処方箋薬なので病院を受診された際に医師にご相談ください。
久しぶりに”胃”について書きました。
決して忘れている訳ではないんですよ。
ただ薬の進化と共に胃の病気は治療しやくなっているので、重症化する方が減っているようです。
でも油断大敵!
胃炎を放置して胃穿孔(胃に穴があく)なんてことにならないように・・・
「おかしいな」と思ったら自己判断せずに病院に受診するようになさってくださいね!