今はダメ!便移植「歯周病、肺炎や関節リウマチと関係があるプレボテラ菌が新型コロナと関係?」

今はダメ!便移植

 

「便移植をやったことがある!」という方いらっしゃいますか?

 

私が看護学生だった30年前(そんなに昔か〜)、大学病院の小児科では子どもの潰瘍性大腸炎患者さんに「便移植治療」を行っていました。
副作用の少ない新しい治療として治験されていましたが、この治療はとても特殊なものだと思っていました。

 

それがいま、開業医でも普通に「便移植」を行う時代。
腸内フローラと健康の関係が広く認識されたからですね。
私もいつか自分の便を高額で売ってやろうと毎日大切に育てています、笑

 

先日、お友達のTちゃんにこんなことを聞かれました。
「うちの子、風邪やインフルエンザにすぐかかるのは免疫力が低いからだと思うの。便移植っていうのをやってみたら良いんじゃないかと思って・・・良子ちゃん、どう思う?」

 

ダメ、ダメ、ダメ、絶対ダメ。
いまはやっちゃダメ。
コロナウイルスは便中にも含まれているから。
検体(移植する便)の安全性が確認されるまでは絶対やっちゃダメだよ。

 

またネットでは腸内細菌のプレボテラ菌と新型コロナの関係について様々な情報が流れて混乱しています。
腸内細菌のプレボテラ菌に新型コロナウイルスが感染し肺炎を重篤化させているという説です。

 

その話題の「プレボテラ菌」ですが、これは私達の腸内に住む細菌です。
SNSで見かけたけどコロナとどう関係があるの?
私もわかりません。
新型コロナに関して分かっていることは、エンベロープウイルスで新興感染症であるということだけ。

 

でも「プレボテラ菌」は分かります。
お馴染みの腸内細菌。
このプレボテラ菌、どんな菌なのでしょう?
本日は、病気と関係が深いと言われているプレボテラ菌についてまとめてみたいと思います。

 

腸内細菌のプレボテラ菌とは?

 

人間の腸内環境を決める腸内細菌タイプを「エンテロタイプ」といいます。
プレボテラ菌はエンテロタイプを決める菌のひとつ。

・B型・・・バクテロイデス属が多い
・P型・・・プレボテラ属が多い
・R型・・・ルミノコッカス属が多い

 

⇩エンテロタイプとは?

腸内細菌叢で世界の人々を分類すると?「私の腸はなにタイプ?」国別の腸内フローラの違い

 

プレボテラ属の菌は、人の口腔内や胃腸、土壌などから見つかっています。
特に食物繊維を多く食べる東南アジア、アフリカ人の腸に多く存在するといわれています。
「プレボテラ・コプリ」というプレボテラ属の細菌のひとつは、2007年に日本人の便から初めて発見されたものです。酸素の中では生きられない嫌気性菌で、食物繊維を分解する能力が高く、コハク酸や酢酸などの代謝産物を作ります。

 

 

プレボテラ菌と疾患の関係

 

このプレボテラ菌は様々な病気と関係があることが解っていますが、歯周病や関節リウマチとの因果関係が発表されています。

 

大阪大学では、腸内細菌を調べる「メタゲノム解析」を用いて、関節リウマチ患者が特定の腸内細菌が増えていることを発見しました。
自己免疫疾患のひとつである関節リウマチ患者82人の便より腸内細菌叢を調べました。比較対象のため42人の健常者も検査対象としています。

 

患者の腸内では特にプレボテラ属の増加が目立ち、腸内の「disbyosis(腸内細菌の多様性の低下した状態)」を示していました。
このことから関節リウマチは「プレボテラ属細菌」と因果関係があることが示唆されました。

 

プレボテラ菌と病気の関係に関する研究は増えており様々なことが解明されつつありますが、まだ新型コロナウイルスとの因果関係は証明されていません。

 

でも・・・

老人は罹りやすくて子どもは罹りにくい。
1度罹患した人がすぐにまた再発している
肥満者の死亡率が高い

 

という傾向はウイルス感染だけでは説明が付かないことがありますよね?
これが腸内細菌とどんな関係性を意味しているのか?
解明されるのが楽しみです。
今日は論文を読みすぎて頭がパンク状態です。
体に悪いので少し外の空気を吸ってくることとします。

 

 

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