子どもの便秘「うんちをするのが恐い子どもたち」肛門裂傷の治療と楽しい排便習慣

うんちをするのが恐い子どもたち

 

小児科外来にいた頃の話です。

 

「うちの子便秘らしいんです。子どもが便秘なんてどこか病気なのでしょうか?嫌がってトイレに行ってくれないんです。」

 

こんな相談をしにくる方が時折いらっしゃいました。
子供は便秘とは無縁で、うんちは自然にでるもなだと思っていたのに・・・出ないのは私の責任だろうか?
そんな風に悩んでいる人は、子育てに真面目に取り組んでいるお母さんが多かったものです。

 

子供の腸はまだ未熟です。
腸の動きが不安定で詰まったり下ったりするのは普通のこと。

 

ただ問題なのは便秘が習慣化してしまい、腸の動きが慢性的に悪くなってしまうことです。

 

大人になって治したいと思ってもなかなか回復させることは難しいし、薬なしで自発的に排便することができなくなっては困ってしまうため早めに対処したいものです。

 

本日は我が子の便秘を心配されているお母様方へ。
子供の便秘についてまとめてみましょう。

 

子どもがトイレにいくのを嫌がります

 

先日、コメントにこんなメッセージが寄せられました。もっと早く解答したかったのですが遅くなってしまい申し訳ございませんでした。

 

6歳の子供をもつ母です。
いつも便秘で悩みます。
食は細く野菜を食べさせようとしても少し。小児科で酸化マグネシウムとラキソベロンを処方してもらっています。
酸化マグネシウムは1日2回。ラキソはクセになるからほとんど使わず。ヤクルトや青汁など飲んだり。4日に一回の間隔。
私が怒りすぎてトイレに行かせようとしたら泣きます。でも出さないとと思って叱ります。どうしたら良いでしょうか?
朝トイレに座らせる習慣が大事と思うのですが出ないから嫌と言って泣きます。どうしたらいいでしょうか?

 

好き嫌いが激しい子や食の細い子を育てるのは本当に大変です。
工夫して一生懸命作っても食べてくれなかったり、お米や肉ばかりで野菜を食べてくれなかったり、
私も長男が超偏食だったので苦労したものです。

 

その上、便秘となると心配は重なりますよね。
でも必要以上に悩んでしまったり、焦ってしまっては逆効果。
悪循環になってしまうかもしれません。

 

子どもがトイレにいくのを嫌がる理由

 

子どもの便秘は意外に多いもので10人に1人は症状を抱えているといわれています。
一時的なもので成長と共に改善されるケースが多いものですが、放置しておくと悪化するケースも少なくありません。

 

本来「うんちを出すとスッキリして気持ちがいい」という経験からトイレ習慣がつくものですが、硬い便を出したときに肛門が切れ痛い思いをすると、小さな子どもは排便を我慢するようになりトイレに座っても肛門の筋肉を閉めたまま息むようになります。

 

便意は直腸内圧の亢進によって起こりますが、便意をしばらく我慢していると消失してしまいます。
そのまま大腸に残った便は水分が吸収されどんどん硬くなり、やっと出るときには強い痛みを伴うようになり悪循環となります。

 

子どもは「うんちは痛いもの」という潜在意識が定着してしまいますます便意を我慢してしまいます。
常に便が直腸にある状態が続くと腸が鈍感になり、便意は起こりにくくなり慢性的な「便秘症」に。
直腸の括約筋を閉めて便意を我慢出来るようになる2歳以降に、子どもの「便秘」は悪化し始めると考えられています。

 

 

子どもの便秘を治す方法

 

子どもの便秘を改善するステップをまとめてみたいと思います。

 

◆まずは溜まった便を出しましょう。

お腹にたまってしまった便を出してしまわないと便秘の治療は始められません。
まずは直腸につまった便を排出させてうんちの通り道を開いてあげることが必要です。

直腸に溜まった便は下剤を使って出すと肛門裂傷(お尻の穴がキレること)が起こることが多いので、まずは浣腸などでゆっくり出してあげましょう。右矢印子どもの浣腸のやり方
肛門が切れないようにワセリンなどを予め塗っておくと良いでしょう。

 

◆肛門裂傷を治療しましょう

便秘が続いている子どもの肛門は小さな傷が沢山できていることがあります。
うんちをしてもお尻が痛い思いをしないためにこの傷を治してあげることが大切。
小児科の医師に相談すれば、切れ痔用の薬を出してくれると思います。
完全に傷が治るには数ヶ月かかることもありますが、しっかり治療しましょう。

 

 

傷が治ってもまた硬い便が出れば再び肛門が切れてしまいます。
病院から出された薬を使ってでも便を軟らかくしなければなりません。
ご相談者様が処方された薬は酸化マグネシウムとラキソベロンということですが、ラキソベロンは量が調整できます。
1日5滴〜7滴くらいで量を調整し、柔らかい便が出続けるまで毎日飲む様にして下さい。
(薬が癖になってしまうという不安はわかりますが、まずは排便習慣を取り戻すことが先決です。トイレ習慣が確立してから減薬を始め止める努力をしましょう。少なくとも数ヶ月は継続した方が良いと思われます)

 

楽しいうんち習慣を作る工夫

 

柔らかいうんちが1回でもでればこっちのもの。
治療によってうんちをすっきり出す快便感を体験すると子どもはトイレへの意識が徐々に変わっていきます。

 

また、いつも直腸がカラになっていれば次第に腸の感覚が戻ってきて便意が復活してきます。
ここから毎日トイレ習慣を始めましょう⇩

うんちの量と美人の法則Vol2美人習慣のすすめ「朝うんちVS夜うんち」パブロフの犬大作戦 

 

うんちが出たらカレンダーにシールをはる、
トイレに楽しい日めくりカレンダーをおく、
などトイレが楽しくなるようなモノを置くのもひとつの手ですよね。

 

食事量が少ない、野菜が嫌いという子どもには「おやつ」で工夫を。
大学芋や干しイモ、果物など食物繊維を多く含むおやつを選ぶようにしましょう。
食物繊維おやつについては、また別に特集組みますね!
白いお米なら食べてくれるという場合は「おし麦」や「もち麦」を混ぜてみても良いかも。

 

子どもの便秘問題は私達母親にとっては深刻な問題です。
また新たないい情報が入りましたら更新していきますね。

 

 

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