帝王切開、盲腸、子宮筋腫、お腹の手術をすると便秘になりやすくなるのはなぜ?
「便秘を改善したい」
私の元にはお腹が弱い方からのご相談が沢山寄せられますが、解決策を探す時に重要となる情報は「お腹の手術歴」です。
便秘と手術歴となにが関係あるの?
そんな風に不思議になるかもしれませんが、ここに大切なポイントがあります。
手術をしたことがある人はお腹の中で腸が「癒着:ゆちゃく」している場合があります。
この癒着というのは腸が腹壁にくっついてしまうことを言いますが・・・
一度、腸が癒着を起こすと自然に剥がれることはないので、腸がお腹の中で固定され(腸のほとんどは自由に動けるよう、他の臓器とくっついていません)これが便秘の原因となります。
だから癒着がある人とない人では対策が変わってくるのです。
そのため便秘を改善するためには、自分が「お腹の手術をしたことがあるか」と言うこと必ず医師に伝えるようにして下さい。
本日は、癒着便秘の対策についてお話したいと思います。
腸が癒着しているとは?
大腸内視鏡を受けた時「癒着があるので入りにくいですね」と言われたことはありませんか?
帝王切開、盲腸、子宮筋腫、骨盤内の手術をしたことがある方は、「腸が癒着している」可能性があります。
「癒着:ゆちゃく」とは、臓器同士が貼り付いた状態を指します。腸はもともと骨盤内を自由に動けるように他の臓器とはくっついていません(一部はくっついていますが)。
手術をすると炎症の部分や切除した部分から漏れ出したタンパク質が凝固して、臓器同士がくっついてしまいます。
腸があらゆる臓器や腹壁の内側の壁に癒着することにより、腸の中身(つまりうんちうんち口笛)がうまく通過できなくなり、便秘の原因となります。
癒着しているのか、どうしたら分かる?
腸がお腹の壁に貼り付いて動きが悪くなると、腸の中に内容物が溜まるようになります。
うまく通過できない腸管は、徐々に拡張し常に膨らんでいる状態になるため、お腹全体が張っていたり、重い痛みを感じたり、下っ腹だけが妙に出ていたり、吐き気や嘔吐が現れることがあります。
この状態が続いて進行すると「腸閉塞」、いわゆる「病的な糞詰まり」となってしまいます。
自分の腸に癒着があるかどうかは検査をすれば分かります。
「腸閉塞」を経験したことがある方は、繰り返す可能性も高いため一度しっかり調べてみる必要があるかもしれません。
▪腹部単純レントゲン検査→お腹にどれくらい便やガスが溜まっているかが分かる。
▪腹部CT検査→腸が狭窄しているか?拡張しているかが分かる。
癒着は治るの?どうしたら便秘は解消できる?
腸の癒着による通過障害はなかなか治療が難しいものです。
腸の内容物(つまりうんち)の通過障害が進行すると、吐き気や腹痛、嘔吐などの症状が現れます。そして常に腹部膨満感がみられ、時々気を失うくらいの腹痛に見舞われます。
腸閉塞を起こさないようにするためには、定期的な排便が必要です。
水分摂取量を意識し、食物繊維(摂りすぎに注意!)の適量を把握し、腸の下垂を防ぐために腹筋や腸腰筋を鍛えましょう。
毎日、同じ時間にゆっくりトイレに座ることも必要です。
『自分で簡単にできる毎日うんち習慣「するっとすっきりで病気知らず」快便は医者いらず』
癒着便秘は腸内環境を整えるだけでは、定期的な排便は目指せないかもしれません。
腸を動かす力が働いてくれないからです。
習慣性が少ない刺激性下剤を使ってコントロールできるよう医師に相談して見て下さい。
『改めて見直されている便秘症の定義「刺激性下剤は頓服か短期投与で!」あなたの下剤、大丈夫?』
また食事や生活の習慣も大切です。
腸にできるだけ負担をかけないためには・・・
✓よく嚼む
✓水分をしっかり摂る
✓早食い禁止
✓よく寝る
✓腹筋が衰えないよう運動する
できるだけ腸が自ら動いてくれるよう工夫して見て下さい。
本日は聞き慣れない「癒着」についてまとめてみました。
いつもメッセージやメールで沢山のご質問をいただきありがとうございます。
今後、もっと気軽にご相談を受ける事ができるよう、良い方法を見つけてみたいと思います。
お返事、少しお時間をいただきますが全員にお返しして行きますのでよろしくお願いいたします(*^O^*)