抗精神病薬と腸内環境「便秘が原因となる精神疾患」腸から始まるパーキンソン病、認知症

便秘は万病のもと

 

大学病院時代、「脳神経内科病棟」でパーキンソン病の患者さんを受け持っていたことがあります。
看護師としてまだ経験が浅かった私は、脳内の病棟に慣れることができず苦労していました。

 

パーキンソン病の患者さんの看護で大変なことは「排便介助」です。
パーキンソン病の方は病気の性質上と薬の副作用もあって必ず便秘です。
それも相当頑固な。

 

緩下剤を使ってもダメな場合は、摘便(指を入れて掻き出すこと)をしたり、浣腸をしたり。
体の動きに制限があり、かがむことが出来なかったりするためなかなかスムーズに行えないんです。
また、便の臭いが強烈で・・・
マスクをしていても吐き気を覚えるほど。

 

当時は薬の副作用なのだと思っていましたが、この臭いの正体は「腸内細菌」だったのです。

 

本日のテーマは、腸内環境が発症原因であるパーキンソンや認知症について。
「便秘は万病の元」
昔の人は様々な経験則から、なるほどという言葉を生みだしたものですね。

 

 

 

便秘から始まるパーキンソン病?パーキンソン病から始まる便秘?

 

脳の病気であるパーキンソン病が腸からきているなんて信じられないかもしれません。
でも、パーキンソン病患者さんが100%便秘であるというのは医療界の常識。
じつはパーキンソン病の患者さんは動きが悪くなる約20年前から便秘が始まります。これは、腸から脳に異常なタンパクが上行すからか?と考えられており、その証拠に手術で腸から脳に伝わる迷走神経を切断するとパーキンソン病になりにくいと言われています。

 

パーキンソン病が進行すると、突然固まって動けなくなることがあります。
患者さんや家族はパニックになり、緊急入院になることも。
そんな症状の時に、まず行う処置は「排便介助」です。浣腸と摘便をして便を排出させますが、大量の便を排出してしばらくするとスタスタと歩けるようになります。

 

これは便秘が薬の吸収を妨げていたために起こった症状です。
パーキンソン病と長く上手に付き合っていくためには腸のケアが不可欠なのです。

 

いま日本でも盛んに行われているパーキンソン病と腸内細菌の研究で分かっていることは、クロストリジウム、バクテロイデス、ルミノコッカス、プレボテラが少なくなっていることです。
これからどんな菌をとればパーキンソン病が予防出来るのか?解明されることが待ち望まれています。

 

 

認知症患者さんの腸内フローラ

 

なぜ認知症になるのか?どうしてこんなにも認知症が激増しているのか?
誰もが自分が呆けてしまうことを恐れています。

 

認知症は、脳内にアミロイドβが沈着して起こる病態であるということは解っています。こちらもまた異常タンパク。
やはり腸内細菌の仕業であるということは解明済みです。

 

認知症になった高齢者は、ビフィズス菌が減少し、ウェルシュ菌やクロストリジウム菌などの悪玉菌が増加しています。
ビフィズス菌は脳における神経伝達物質、あるいはその前駆体を産生することが分かっています。この善玉菌は大腸における腸壁の透過性亢進を抑え、腸管内の細菌や毒素の血管内侵入を防ぐ働きをします。

 

また認知症の人はバクテロイデス菌が少なく、種類不明の細菌が多く占めることも判明。

 

バクテロイデスが多い人は、そうでない人に比べて罹患率が10分の1にまで下がり、バクテロイデスが少なく種類不明の細菌が多い人はそうでない人に比べて罹患率は18倍も多いことが分かりました。

 

 

パーキンソン病や認知症を予防するためには?

 

パーキンソン病も認知症もまだハッキリとした原因は解明されていません。
ただ2つの病気の特徴は、腸内環境の乱れによる脳内の異常タンパクの増加です。
この異常タンパクの増殖を抑えるためにはやはり食生活を見直さなければいけません。

 

抗酸化物質の不足や脂肪の摂りすぎ、ミネラル不足に注意して下さい。
脳血管性認知症は動脈硬化などの血管老化が大きく関係しており、この原因は偏った食生活です。

 

特に注意したいのが、「塩分、コレステロールの摂りすぎ」です。
過剰な塩と脂は血管を老化させ動脈硬化を促進させます。

 

どんな病気も罹ることはイヤなものですが、「自分が分からなくなるような病気」ほど恐怖なことはありません。
腸内環境が整っていれば予防出来る病気があるということは、私達にとってとても朗報なこと。
病気になってから元に戻ることはできません。
いまから出来ること、始めてみましょう。

 

 

ナースキュアビフィズス菌BB+オリゴ糖のご購入はこちらから

Follow me!